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カンボジアのお勧め不動産投資エリアを解説! 郊外地区分析編

カンボジアのお勧め不動産投資エリアを解説! 郊外地区分析編
前回は、カンボジアで有名な3都市についてご説明いたしました。
今回は、首都プノンペンに絞って詳しく見ていきたいと思います。

首都プノンペンといってもとても広いです。プノンペンはいったいどんな事になっているのでしょう。
色々な角度から分析していきたいと思います。

 

1. プノンペンの主要インフラとイオンの位置確認!

 

(1) プノンペン中心地へ繋がる新しい橋の登場

プノンペンのダイヤモンドアイランドとも呼ばれるコー・ピッチとノレアを繋ぐ橋が完成間近、テストランも終了し、いよいよ本格始動になります。2013 年に30 万台であったプノンペンの新規車両登録台数(四輪、二輪を含む)2018 年には58 万台と倍増し、自動車中心の交通体系は変わらず交通渋滞が深刻化しつつあるプノンペン。

この橋が完成すると、ベトナムから1号線を使ってプノンペンに乗り入れてくる際に、モニボン橋のみしかなく、朝晩の渋滞が酷かったのが解消されることが期待されます。

 

これにより、人々の動線が多様化し、ダイヤモンドアイランドの街並みも変わるかもしれません。

 

(2) 新国際空港が建設中⁉

クメールタイムズの報道によると、カンダル州のマオ・ピルン市議会議長は月曜日、国会議事堂で行われた記者会見で、「建設は予定通り進んでおり、2023年には計画されている4本の滑走路のうち1本か2本が使用可能になる」との事。

そして、新空港は開港時に年間1,300万人、2030年に年間3,000万人、2050年に年間5,000万人の利用を見込が見込まれており、既存空港のVIP 専用機能を残し、全ての国際旅客ターミナルは新空港に移転する予定です。

 

また、旧首相の名前がついている”フンセンブルーバード”と国内外の貨物輸送に重要な役割を果たしている国道2号線が繋がり、空港と市内のアクセスが良くなるばかりでなく、空港からの輸送のインフラが整い国際貿易の発展にも貢献することが期待されます。

 

 

 

 

(3) プノンペン経済特区の役割とは⁉

プノンペン経済特区(Phnom Penh Special Economic Zone、通常はPPSEZと略されます)は、カンボジアの首都プノンペン近くに位置する特別な経済地域のひとつです。経済特区は、外国の企業や投資家に対して特別な経済条件や施設を提供し、ビジネスの設立や運営を支援することを目的としています。業種は様々で、製造業・食品加工業・自動車部品メーカー・建設関連業者など様々な業種の会社が集まっています。

 

進出している一部の日系企業を挙げると、

味の素(食品加工)、アオイフットウェア(製靴)、オーアンドエム(皮革製品)、王子パッケージング(梱包資材)、オカトー(生活家庭用品)、KANEJU(婦人服)、協和製函(梱包箱)、クイーポ(皮革製品)、ゴミリサイクル(プラスチックリサイクル)、コンビ(ベビー用品・玩具)、篠原(化粧用刷毛)、ジャパンロックス(婦人服)、スーンウエスト(精密・電子部品)、住友電装(ワイヤーハーネス)、タイカ(靴用緩衝材)、太陽工業(コンテナバッグ)、タナカフォーサイト(眼鏡用部品)、テイクオフ(ぬいぐるみ)、デンソー(自動車部品)、トヨタカンボジア(※倉庫として使用)

などなど多くの企業が進出しています。

 

税制度の優遇、物流インフラの提供、輸出プラットフォームがそろっており、地元カンボジア人の雇用を創出しています。通関手続きもここで済ませられるのも企業にとっては大きなメリットではないでしょうか。

 

(4) イオンモールが3つもあるってほんと⁉

そうなんです。カンボジアにはイオンモールが点在して居り、2023年春にイオンモール3が誕生し合計3つのイオンモールがあります。

イオンモール1は、「イオンモール プノンペン」と呼ばれ、中心部に一番近い店舗になり、高感度な専門店の誘致とビジネス需要への対応するため2023年に増床されリニューアルオープンをしております。少しラグジュアリーになっております。

 

イオンモール2「イオンモール センソックシティ」と呼ばれ、映画館はもちろん水族館や遊園地のTVスタジオなどのアトラクションがありアミューズメント施設が充実しているのが特徴で、有名コーヒーチェーンの「ブラウンコーヒー」が手がける「センソックシティガーデン」をはじめとする緑が豊かな施設になっております。

 

そして、2023年にオープンしたイオンモール3「イオンモール ミエンチェイ」と名付けられ、先ほどご紹介したプノンペン新国際空港

の近くに立地します。全長35メートル、幅2.5メートル、200人が同時利用できる全面ガラスのスカイブリッジや、3階から2階までをつなぐキッズスライド(12歳以下)を設置しております。また、カンボジア最大級となる約1900m2、収容人数約3000人の多目的ホール「イオンホール」も設置。コンサートから結婚式、eスポーツ大会に美術展など、さまざまなイベントを開催を予定しており、広大な敷地を最大限利用した巨大モールとなっております。

 

 

2. プノンペンの気になる地価上昇の傾向

 

 

(1) “Khan”はっきり言って読めません。

プノンペン都の市域は、約679km2 であり、14 の”Khan””カーン”(区に相当)に分割される。プノンペン都には、105 のSangkat(町に相当)が存在し、各Sangkat は更にPhum(村に相当)に分割されます。馴染みのないクメール語の地名14区の読み方と人口増加率を一挙公開!

 

表:区別人口分布(2008 年、2019 年)JICA調べ

区(Khan) 人口(単位:千人)
2008 2019
 Chamkar Mon  チャムカモン 182 71
 Doun Penh  ドンペン 127 155
 Prampir Meakkakra  プランピア・メアクカラ 92 71
 Tuol Kouk  トゥ―ルコーク 171 146
 Boeung Keng Kang   ボンケンコン   67
 Dangkao  ダンカオ 73 160
 Mean Chey  ミエンチェイ 195 248
 Ruessei Kaev  ルセイカエウ 135 275
 Saensokh  センソック 126 183
 Pou Saenchey  ポーセンチェイ 159 227
 Chrouy Changvar  チュロイチョンバー 61 159
 Preaek Phnov  プレークプノウ 47 188
 Chhbar Ampov  チュバーオンパウ 133 164
 Kambol  コンボ―ル   76
合計 1,502 2,190
プノンペンにおける中心業務地区 人口の割合 38% 23%

※Boeung Keng Kang は2019 年1 月にチャムカモンの7 つの町を独立させることで新設。

※Kambolは2019 年1 月にカンダール州の一部地域がプノンペンに統合され新設された。

 

これでもう、プノンペンで迷子になっても安心ですね。

発音については、面白いサイトを見つけたので、こちらで発音の練習をしてみてください。

発音のサイト▶https://kanji.reader.bz/country/Cambodia

 

さて、ご紹介した表ですが、上段の背景緑色の部分が、プノンペンにおける中心業務地区となっており、表からもわかるように、人口は増えつつも、中心地ボンケンコンへの人口集中だけではなく、プノンペン市内の別の”区”も発展してきている事が読み取れます。

 

(2) ダンカオ区の土地の上昇率がすごい

ダンカオ区は人口も2倍以上に伸びており、土地価格も上昇中。

これは、クメールタイムズの記事によると2018年から続いており、フンセンブルーバードに隣接するイオンモールミンチェイ~ダンカオの端にある新空港までを比較的安い時期に購入し移り住んできているようです。

 

インフラ整備による移動の利便性の向上、イオン効果に波及して予定されているインターナショナルスクールも併設される予定もあり、富裕層も注目しているようです。

 

街として考えた時に成長が期待できるので、現実的に投資を考えてもいい時期に入ってきたのではないでしょうか。しかし、かなりのハイリスク投資となります。

 

(3) 人口が10年で4倍になっているプレークプノウってどんな街?

プレークプノウ区は人口が増えているも湿地帯になっていて、労働者も学生も同じように増加しており、ベットタウンのようなイメージでしょうか。イオンモール センソックシティで日常のお買い物も可能で、経済特区で通勤にも近いという事で成長したと思われます。

経済特区では、日系企業がこれからも進出をしていく予定で、雇用をさらに創出し、毎年の最低賃金が上昇し、よい経済循環が続きそうです。

 

しかしながら、地元の実需向けの戸建投資でインカムゲインを狙っていくとなると、苦労のわりにインカムが少なく、任せられる管理会社もなさそうなので、現実的ではないと思われます。

 

経済特区参考レポート▶ 神奈川県海外駐在員の活動レポート

 

(4) プノンペンにおける中心業務地区について

投資はしたいけど、失敗はしたくない、ある程度流通しているマーケットで出口を迎えれるような投資が理想ですよね。そして、売るタイミングまではインガムゲインを享受したいとなると、人が集まるプノンペン中心業務地区になってくると思います。

チャムカモン、ドンペン、プランピア・メアクカラ、トゥ―ルコーク、ボンケンコンこのあたりの地域については、もっと深く見ていく必要があるので、別号でお伝えしたいと思います。

 

 

まとめ

今回は、プノンペンを色々な角度から分析してみました。

今回の調査はかなり長い時間がかかりました。たくさんのレポートを読み、たくさん検索しましたが、調べていて感じたのは、マイナーな地域であるがゆえに投資効果が高い(ハイリスクハイリターン)といえるかもしれませんが、とてつもなく情報が少ないです。

住んでいる人にしかわかわからない事がたくさんあると思います。キャピタルゲインを狙って郊外への投資は、かなりのハイリスクだなと感じました。

 

データがそろっているからと言って、人口が爆発的に伸びているからと言って、耳障りの良い謳い文句に誘われて、投資をするのではなく、いろんな角度から分析する事が大切だと感じました。

 

また、プノンペンでイオンモールができる影響力の大きさをすごく感じました。そして、インフラ整備されると一気に動線が変わり、フランスの文化を残しつつも、新しく開発される地域は、電柱の地中化や住居を高台に建て街の整備が進み、新旧の融合した味わいのあるプノンペンが出来上がっていくと思います。成長を楽しみにしたいと思います。

 

カンボジア全体についての記事はコチラ▼

カンボジアのお勧め不動産投資エリアを解説! 三大都市比較編

 

 

荒木 杏奈
執筆者:荒木 杏奈
Asset Ocean株式会社
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