投資資産運用経済

2024年 金利と為替と不動産投資

2024年 金利と為替と不動産投資
2023年長らく続いた円高が一気に加速し、円安へ大きく動きました。
アメリカを始めとする長期金利も足踏みし、為替の動きも激しい1年でした。
円通貨にフルベットしてませんか?

今回は、2024年版 海外不動産投資に欠かせない、金利、為替、政策の動向についてお話していきたいと思います。
世界の主要イベントも掲載しておりますので是非最後までお読みください。

 

1. どうなる日本の政策金利

 

(1) 米国との金利差から考える

リーマンショック以降、頑張って経済を刺激してきたアメリカは、徐々に政策金利を上げてきておりました。

日本は、うまく経済をインフレさせることができず、マイナス金利を維持してきました。お金を借りやすくなったという側面もありますが、金利を上げることができずデフレ経済をけん引してしまってます。 お金が借りやすいと言ったメリットでいうと、与信がないサラリーマンでも比較的安易に融資を受けて、不動産投資がしやすかった理由もここにあります。

 

2023年11月、日銀の植田総裁が『マイナス金利解除を示唆』されました。

具体的にいつ、何をするといった事は述べられておらず、『やろうかな~』っといった感じです。 かといって5%以上も開いた金利差を埋めるのは難しいと思います。 一方で、アメリカは段階的に金利を引き下げる方向に向かい始め、アメリカが金利をさげていくなら、日本も鼻息荒く金利を上げていくという事はなさそうですね。

 

またミクロの視点でみると、輸入の多い日本でコストプッシュ型のインフレは抑えることができず、日用品・食料品・ガソリンのコストは上がっています。 特に、ガソリンコストはすべてのサービスの値上げにつながります。郵便局も24年ぶりに切手の値段を値上げすると発表。伴って、人件費にも転嫁して給与を世界水準と合わせていかないと生活が苦しくなっていってしまいますね。また、マイナス金利政策を利用して、お金を借りてレバレッジを効かせている企業も多くある中、人件費も上げて、負担も上がると、黒字倒産する企業も増えてきてしまうのではないでしょうか。

 

2024年、植田総裁の『マイナス金利やめようかなぁ~』がどれくらい本気か!

事業用ローンで不動産投している投資家にも大きく影響がありそうです。

 

 

 

▼外為どっとコムのサイトとっても便利です。

https://www.gaitame.com/markets/seisakukinri/

 

 

(2) 金利差と為替の相関

前回、150円を突破した2022年10月、日銀の為替介入により一気に円高に振れました。これって、健全な経済活動とは言えませんよね。

2023年の11月の150円突破時には、日銀は具体的に為替介入などを行わず、『マイナス金利解除をしようかなぁ~』の発言のみです。それでも市場は大きく反応し円安方向へ。

 

いろんなエコノミストの記事を読んでいると2024年は円高へという声が多く聞こえてきますが、先ほどものお伝えしたように、アメリカは『金利を下げる予定』日本は『解除しようかなぁ~』という段階で、実際はまだ5%以上の金利差があり、米ドルで運用する方がよさそうですよね。為替介入もそんなにたくさんできる手法ではなさそう。

そして結局、2023年最後の金融政策決定会合では、『マイナス金利解除しない』と発言されておりました。植田さん、ほのめかすのやめてよ!

 

もちろん、ドル円の材料は日米金利差だけではないので、2024年もアンテナを大きくしてたくさん情報収集をしたいと思います。

 

 

 

2. どうなっちゃうの中国⁉

(1) 景気減速している2023年の中国はどうだった?

不動産セクターを除き、シンクタンクの発表(例:ニッセイ基礎研究所)を見ていると、数字は悪くなく、経済成長率は前年比で5%増なんて事も書かれています。しかし、色々なエコノミストの発言を聞いていると、バブル崩壊だとか、中国経済は終わっているとか、色々耳にもします。

 

実際に、中国に住んでいるわけではないので、不景気を体感する事は不可能ですが、各種の報道からも不動産セクターに関しては、バブル崩壊の秒読みはあながち間違っていないと思います。実際に、不動産を購入したにもかかわらず、工事が進まないという報道もいくつも見ました。中には、『1Unit買ってくれたらもう1Unitをつけます』なんて報道も見ました。 デベロッパーもお金を集めるのに必死なのかもしれません。

 

(2) あんなに騒がれた恒大集団はなぜ消えないのか

では、なぜなかなか破綻しないのでしょうか。

中国の破綻処理において、契約書の文言に、中国法に則った処理に従って破産処理をすると謳っている場合が多く、中国法では自国の債権者が優先的に債権の行使ができると定められています。その為、恒大集団など大手不動産が外国では破産申請する一方、中国国内では存続しうる仕組みとなっている。

 

また、裁判所が破産処理を受け付けてくれないという苦情もあるそうで、共産党の指導の元ゆっくりと進められていくと予測されます。一方でシリコンバレー銀行のように企業が一気に破綻に向かうという事もなさそうです。

 

実質破綻状態の不動産会社に対しては、地方政府に責任を負わせ、前受け金を受け取ったにもかかわらず完成しない住宅は、完成させて引き渡すことを義務付けたようで、ここで発生するコストは地方政府負担にならざるを得ないとも報道されています。

とはいえ、財源を失った地方政府にそんな事ができるのか、地方で夢のような都市構想を描いた街が廃墟となりそうですね。やはり風呂敷を広げすぎてはいけないのです。

 

以上の事を踏まえると、粛々と破綻処理を進めるつもりもあるが、中国国内で何かのタイミングを計っているようにも見えます。

引き続き、中国不動産セクターはとても不安定な状態にあり、中国資本で海外で不動産開発をしているデベロッパーの物件を検討の際は、注意が必要かもしれません。

しかしながら、2024年に一気にクラッシュし、世界経済に大きな影響を与えるという懸念は和らいだかなと思います。

 

 

(3) 不動産以外の経済はどうでしょう

コロナ禍中に家電売り上げが好調で、世界の工場として順調に伸びていた経済ですが、それも一巡しインフレ率も低調。また、アメリカ等がインフレ鎮静化するのに政策金利を上げている中、中国は政策金利を徐々に下げており2015年の5%から現在は3.45%。さらに、2022-2023年の消費者信頼感指数がかなり落ち込んでおり、中国で生活している人のマインドも冷え込んできている事が数字から読み取れます。

こういった事を考慮すると、中国経済はデフレに向かっていると言えると思います。

 

『アメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひく』という言葉がありましたが、中国がくしゃみをすると風邪をひく国もあるかもしれません。人口とパワーの大きく動く国ですので、好転する時も暗転するときも大きく動く事が予想されますので、2024年はアメリカだけでなく中国の経済にも左右される年になりそうです。

 

 

3. 2024年不動産投資に影響するイベント一覧

(1) アメリカと日本の金融政策決定会合はいつ?

為替や株価にインパクトのある金融政策決定会合。

アメリカと日本の金融政策を決めるスケジュールを記載いたしました、カレンダー登録してお見逃しなく!

金融政策決定会合の前に『ほのめかす』事が、実現するのか?

海外不動産投資で為替のいい時に円を両替したい方! 必見です。

 

▼時事エクイティより引用

    • 1月30日 〜 31日
    • 3月19日 〜 20日
    • 4月30日 〜 1日
    • 6月11日 〜 12日
    • 7月30日 〜 31日
    • 9月17日 〜 18日
    • 11月6日 〜 7日
    • 12月17日 〜 18日
【日本】金融対策決定会合
  • 1月22日 〜 23日
  • 3月18日 〜 19日
  • 4月25日 〜 26日
  • 6月13日 〜 14日
  • 7月30日 〜 31日
  • 9月19日 〜 20日
  • 10月30日 〜 31日
  • 12月18日 〜 19日

▼その他の国の金融政策決定会合はコチラから

時事エクイティ 主要各国の金融政策スケジュール (2024年)

 

 

(2) 政策でも変わってくる不動産投資

2024年、注目の選挙が控えております。

特に大注目のアメリカ大統領選!

こちらに挙げた選挙以外にも、メキシコ・インドネシアの大統領選、韓国・インド(下院)の総選挙なども行われる予定です。

下記に主要選挙をチェックしていきましょう。

 

1/13 台湾総統選

半導体事業を主軸に置いている台湾は世界的に重要な貿易国であり、現在、中国で生産している工場をベトナムやインドに移しています。選挙によって、親中になるか親米になるかで、貿易だけでなく生産拠点も変わるかもしれませんね。

隣国である日本も他人事ではなく、影響を受ける可能性があるので目を離せません。

3/17 ロシア大統領選

戦争終結の見えてこないウクライナ戦争。プーチン氏は来年の選挙にも出馬を表明しており、独裁長期政権となります。

有力な対立候補が出ておらず、プーチン氏一強となりそうで、再選すると、ウクライナ戦争の行方がさらに暗礁に乗り上げそうですね。原油高に起因したコストアップは新築不動産に影響ありそうです。

6/* EU議会選

イギリス離脱後初めての議会選。利上げ、インフレに苦しむ欧州で、どう評価されるのでしょうか。そんな中ウクライナ支援を続ける姿勢を有権者がどう理解するか。利上げにより、住宅市況も調整過程となっており、舵取りの大変な1年となりそうです。

年内 イギリス総選挙

与党・保守党でジョンソン氏、トラス氏と相次ぐ首相辞任を経て就任したスナク首相のもとEU離脱後初の総選挙となります。

EU連合と同じく、利上げとインフレに苦しんでいる一方で、世界で最も中心的な国際的金融センターという位置づけは変わっておらず、安定的とみられている。ロシア・EUの動きにどう反応するかを要チェックです。

11/5 アメリカ大統領選

言うまでもなく注目のバイデン氏vsトランプ氏の一騎打ちの予感。

為替も株も大きく影響を受ける為、米ドルでのお取引が多い弊社では、FOMCと共に注意深く見ています。またアメリカ不動産を持っている方で、共和党の州になるか民主党の州になるかで大家業にも影響が大きい為、自分の持っている物件の州がどうなるかもチェックしましょう。

 

 

3. まとめ

今回は、2024年の展望を考察してみました。

ポートフォリオが日本円だけのみなさん。みなさんが投資してるつもりがなくても、気づいたら日本円にフルベットしている状態なんです。主軸通貨の米ドルにも分散ておくと、円安時には輸入品をドルで決済したりできますし、もう1通貨お好きな国の通貨を交えておくと、円安だけど好きな国に遊びに行きたい時は為替を気にせず、海外旅行を楽しめますよね!

また、為替がいいときに一気に替えたい!っと当然ながら思います。

日銀が1ドル150円で為替介入するとは断言しているわけではないので、将来的に1ドル200円もあり得るわけですし、ここからアメリカがクラッシュして1ドル100円を下回る可能性も大いに考えられます。そんなポイントを狙って大きく張るようなトレーダーのメンタルがない人は、コツコツと平均的に外貨を買っていく、もしくは、円に換えていく事をお勧めします。

 

 

海外不動産投資で分割払いを選択されている方は、コツコツ平均的に時間分散を効かせて投資ができていて、ある意味有利な選択肢かと思います。

2024年はどんな年になるのでしょうか。今年もみなさんの資産運用のお役に立てるように情報発信してまいりたいと思います。

 

▼カンボジアの2024年の展望の記事はコチラ
2024年のカンボジアを占う!

▼2024年の展望をYouTube配信しておりますので是非ご覧ください。

 ≪前編≫ ≪後編≫  

執筆者:荒木 杏奈
アンナアドバイザーズ株式会社(Anna Advisors Co.,Ltd)
CEO / 宅地建物取引士 / 1984年生まれ、東京都出身
大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。
2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎

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