投資カンボジア

2024年のカンボジアを占う!

2024年のカンボジアを占う!
先日カンボジアの新首相フン・マネット氏が来日されました。
とっても興味深いお話を伺ってきたので、そちらの様子をレポートします。

現地企業の生の声は?
新首相ってどんな人?
カンボジアの未来ってどう?

1. カンボジアの描く未来

(1) フン・マネットという男!

まずは、新しい首相について簡単にお伝えしたいと思います。
お父様のフン・セン首相のご長男で、お父様が築かれた安定政権を引き継ぐ形で、2023年、新たな首相として誕生したフン・マネット首相
実は、46歳とお若く、非常に高学歴な方なのです。
厳格で優秀な生徒しか入れない、アメリカの陸軍士官学校を卒業し、ニューヨーク大学とで修士号、イギリスのブリストル大学で博士号を取得されてるんです。どちらも経済学について学ばれたということでした。
知性も体力も忍耐力も兼ね備えたスーパーエリートということが想像できますね!

 

 

(2) そんなマネット首相のお話は?

先日、JETRO主催で行われた基調講演ではスピーチは英語でされていて、とても流暢にお話しされていました。国のトップが、英語で自分の言葉として外交するというのは、外交面でかなり有利だと思います。表情は柔らかくて優しそう、首相閣下に大変失礼ですが、社交的で人懐っこいイメージを受けました。

 

お話しされていた内容をお伝えしますと、カンボジアは2050年までに高所得国になるという目標を設定しており、今後 25年間のカンボジアの社会経済発展のために尽力し、人々の生活の向上を目指しているそうです。

主軸の政策として、
政府は50万ドルの新規の投資を行い、オンライン商取引の補助金や研修を受ける125の中小企業に充当する。
2023年に新投資法を制定し、投資を呼び込むために、たくさんの優遇措置を儲け、外国からの新規の投資を呼び込む。また、書類などのワンストップサービスを提供するとしている。

新投資法とオンライン商取引の強化により、所謂 “裏金” のやり取りを減らして、不正を撲滅し、透明性のある取引を実現する狙いもあるようです。

若くて賢明なリーダーの牽引力が楽しみですね。

 

 

(3) 副首相:スン・チャントール氏の講演

続いてお話しされたのが、副首相のスン・チャントール氏でした。
こちらは、英語ではなくカンボジア語での講演で、もう少し具体的に述べられており、新投資法について、もっと熱く語られておりました。

簡単にお伝えしますと、オープンな法律でできており、国内事業者のみを保護せずに、外国の資本であっても全てのセクターに投資することが可能であり、テレコム分野でも100%の直接投資ができる。
投資プロジェクト毎にグルーピングして、3-6-9年間の免税期間を儲けており、関税による価格調整も行わない方針である。さらに、個人資産に関して国は関与せずカンボジアからの送金規制はないので、良い投資環境を揃えている。

企業にとってマイナス面としては、ロジスティックフィーは他国に比べて割高感がある。また、所謂 “裏金” がないとは言い切れないものをオンライン化して不正を防ぐ。不正防止の観点から、決済に関しては対面では行わないように法整備を進める。

首相と同じように述べられており、息の合った講演でした。
マイナス面で挙げられていた、ロジスティクスの面では、日本の資金協力のもとインフラ整備が整ってきていて、ASEANハイウェイがとんどんと出来上がっており、2027年にホーチミンからの高速が完成予定で、タイへも繋がっていく事で、益々陸路による輸送が安易になっていくとの事でした。

 

 

 

2. 現地の雇用や労働力の生の声!

(1) カンボジア進出企業の声

豊田通商株式会社

370人の従業員を採用しており、8月にハイラックスの組み立て工場を建設し50人を現地採用し、日本人が2名が指揮している。

国連カンボジア暫定統治機構を通じて、中古車の修理をメインに進出を決定。

現在は、自動車市場がプノンペンで3拠点、地方にも拠点があり、2017年にはタイプラスワン計画の一環で、ポイペトにテクノパーク設立。さらに、2022年にカンボジアでの生産強化のため車両組立事業会社を設立し、着々と増資を行い、雇用拡大を担っている。


自動車市場でも安定して5%の成長維持。これは、カンボジアの中間層が育ってきており、需要の拡大、新車需要にも繋がっている。


今後は、カンボジア現地の人材育成を引き続き行い、トヨタクオリティを”Made in Cambodia”で作れるように技術提供をしていきたいとの事。


 

ミネベアミツミ株式会社

元々拠点のあったタイ・中国で、人材不足や賃金上昇等の問題で工場拡張に困っており、カンボジアは人件費が安く、政治が安定していることから進出決定。

現在は、現地従業員7,000名、外国人ふくむ日本人は35名在籍。

 

最初は、タイマレーシアから熟練作業員を呼んで、カンボジア工場で組み立てのみ行っていたが、さらに内製化できるように、カンボジアの大学や高専と連携して人材を行い、内製化部品の製造に成功。

 

また、スマートシティ化の一旦として、街路灯を使って温度を測ったり風向きを調べてデータ収集を行い、プラットフォーム化をしてサービス提供を行っており、さらにグローバルに展開してサスティナビリティにも貢献していきたい。

 

タイとの距離が近く、タイからの製造支援や物流が容易である。進出当時は物流網の未整備が懸念されたが、ASEANハイウェイが整ってきており、改善してきている。

原材料の現地調達難だったが、情報整備が進み、新規のサプライヤーをカンボジア国内で探すなど、ビジネスが広げやすくなってきた。

将来的には、電力を再生可能エネルギーでカバーできるようにし、脱炭素社会の実現を政府と共に考えており、引き続き増資を行っていく予定。

 

 

イオンモールカンボジア

2000年よりCSR活動から学校建設や植樹でカンボジアに貢献しており、安定した政治基盤、競合が居ない、などといった観点から、カンボジア進出を決定。


第1号に決めたイオンモール・プノンペンは、首都プノンペンはオフィス勤務者が多く、最低賃金の200USD/月を大きく上回る2,000USD/月を超える月収の人口が多く住んでおり、現在の平均売り上げは、日本の地方関東圏の売り上げも上回る購買意欲があり、来場者数も多く活況である。

イオンモール1(イオンモール・プノンペン)は200億円を投資し、イオン2.3は合わせて400億円の投資となった。合わせて、教育やレジャーなどの提供も行っていきたい。

 

インフラ整備が進むに連れて、日本政府とカンボジア政府がSEZ(カンボジア経済特区)を発展させていくなか、ロジスティック業者がおらず、パイロット事業者としてイオンが参画。この度、イオンモール カンボジア ロジプラスを設立し、海外物流のプラットフォームとなる、カンボジア初の多機能物流センター事業を展開し、EC事業の促進などに務める。
プノンペン以外にも広げて、カンボジアにより根付いていきたい。

 

 

プノンペン経済特区社

実は、ティファニーの世界最大の研磨工場がカンボジア経済特区にある。
タイも海外からの投資が盛んで、中国のEV車の生産の需要が多くなってきいた。しかし、タイの人件費上昇・人材不足が顕著になってきており、カンボジアで人材育成をして生産拠点を増やすというのがトレンド。

中国やタイで生産している中小企業がカンボジア進出を決めているケースが多い。

 

カンボジア人の特徴としては、ワーカーは手先が器用で、アンコール王朝から続くものづくりの影響か細かい作業を辛抱強くやることが得意。


プノンペン経済特区社としては、カンボジアの課題は物流コストであり、改善を行っている。電気代がここ20年で安くなっており、企業側のメリットも上がっている。

自社で関税サービスを提供して、通関手続きを安くして50%以上を削減している。

しかし、紙での処理が多く残っているので、電子化することでコスト・時間を削減し、不正をなくしていく。4年以内に紙での手続きをなくしていく方向です。

 

世界中の企業様に満足いただけるように誘致していきたい。

▼各国の人件費比較サイト

https://www.jetro.go.jp/world/search/cost.html

 

 

(2) 官民合同協議会の存在

今回の講演を伺って、人口の少ないカンボジアとしては、やはり投資に頼ることが必須となっており、国としても絶対に成功させたいという思いがとても伝わってきました。
カンボジアでは、官民合同協議会を開催し、企業が直接国に声を届けることが可能です。まだ小さい国ですので、これから成長するために色々とブラッシュアップをしようと政府一丸となっているようです。

現地進出している企業も、投資環境には満足している様子でした。
やはり、お困りごとを直接相談して企業が動きやすいように柔軟に対応してくれると動きやすいですよね。
今回の首相の講演でNTTドコモもカンボジアの通信分野投資に意欲をみせているようです。

▼官民合同協議会記事
https://kabushiki.jp/news/575935

▼NTTドコモの記事
https://poste-kh.com/news/2023-12-21-5978https://kabushiki.jp/news/575935

 

 

 

カンボジアのこれから

カンボジアの法律は日本の法律をお手本にしているので、経済特区での進出は我が国”日本”と親和性が高く、この講演を聞き、さらに企業が進出する可能性があると思いました。

日本だけではなく、世界の企業へアピールしているので、コロナが明けて益々の発展が期待できます。

 

労働力もまだ安価で、タイ・ベトナムと陸路でつながり、成長に向かってみんな一丸となるカンボジア。数字を眺めていても、景色を眺めていても、人を眺めていても、成長を著しく感じます。

 

経済規模にアクセレレートがかかる目安”人口1億人”に達成するまでには時間がかかるかもしれませんが、着実に経済発展を遂げていると感じます。今までは、他力で生きていく事に慣れてしまっていた印象がありましたが、若くて求心力のある国のトップが、どれだけ引っ張っていってくれるかとても楽しみな国です。

 

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 ≪前編≫ ≪後編≫  

執筆者:荒木 杏奈
Asset Ocean株式会社
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