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ベトナムに不動産投資を考えたらまず読もう! 基礎情報編

ベトナムに不動産投資を考えたらまず読もう! 基礎情報編
急速に成長する経済を背景に、不動産市場も大変活発になっております。
本当にベトナムの経済成長に乗って不動産投資を考えていいのでしょうか?
ベトナム不動産投資を真剣に考えたときに、基礎情報から一緒に学んでいきましょう!

 

1. ベトナム情報の基礎

32万9,241平方キロメートル
約9,946万人(2022年、越統計総局)

ハノイ

キン族(越人)約86%、他に53の少数民族

ベトナム語

仏教、カトリック、カオダイ教他

社会主義共和国

ヴォー・ヴァン・トゥオン国家主席

共産党(唯一の合法政党)党首 グエン・フー・チョン党書記長

1986年の第6回党大会にて採択された市場経済システムの導入と対外開放化を柱としたドイモイ(刷新)路線を継続、汚職対策、構造改革や国際競争力強化等に取り組んでいる。

全方位外交の展開。各種国際機関をはじめ、国際的、地域的枠組みにも積極的に参加。

1)予算 57.3億ドル(2021年)(2)兵役 徴兵制 (3)兵力 正規軍48.2万人(陸軍 約41.2万人、海軍 約4万人、防空・空軍 約3万人)(2021年)

ドン(Dong)(1ドン=約0.0061円(2023年9月25日))

引用サイト:Wikipedia

 

2. 人口動態

 

ベトナムは過去数十年間で人口が急増しました。1950年代から2000年代にかけて、高い出生率と低い死亡率により人口が増加し、ベトナム戦争の終結後、海外に逃れていた多くのベトナム人が国内に帰国したことも人口に影響を与えたと言われています。


2000年頃に約8000万人だった人口は、現在のGSOの統計では、2022年4月1日時点におけるベトナムの人口は9920万人。2023年には人口が1億人となり、これにより、ベトナムは世界で最も人口が多い国のトップ15に仲間入りする見通しとなっております。

またこれにより、ベトナムは1億人規模の人口を持つ東南アジアで3番目の国となる見通しです。

 

 

 

3. ベトナムの産業構造と経済成長見通し

 

(1)産業構造はどうなっているのでしょう?

2022年のGDP約4,138億米ドル(IMF推定値)、経済成長率8.02%(越統計総局)、失業率2.32%(都市部:2.79%、農村部:2.03%)(越統計総局)と目覚ましい経済成長を遂げているベトナム。もう少し詳しく覗いてみましょう。


ベトナムの産業別のGDP構成比は、2020年頃に16%を占めていた農業がサービス業の発展により縮小し、2020年は農業16%、工業37%、サービス業46%となりました。


新型コロナ禍からの回復が見られる2022年は、経済活動が復調し、引き続き生産拠点として大型投資案件の認可や発表も相次ぎ、特に半導体製造工場(ファウンドリ)の分野において成長を遂げており、国内にあるいくつかのファウンドリが、国内外からの需要に応えています。

 

(2) 輸出高からベトナム読み解くと⁉

現在、ベトナムの輸出額の上位を占める電話機、電子製品(コンピュータを含む)、機械設備、及び其々の機械設備部品は、この10年間でそれぞれ輸出額が10倍前後に増え、ベトナム経済を牽引する存在となった。これらの上位3品目の輸出額はコロナ禍の中の2021年に過去最大となる1,470億ドルに達しました。


それ以外にも、衣料品と繊維製品、農産物、木材製品の輸出も盛んで、バランスのよい産業構造と言えるでしょう。

引用サイト:Jetro

 

4. ベトナムの地域の特色は?

 

(1)縦長のベトナムどうなってるの?

縦に長く伸びたベトナムを大きく3つの地域に分けて特色を見てみようと思います。


北部 :首都ハノイの位置する北部は、ベトナムの歴史的な中心地であり、多くの文化的遺産があり、政治と文化の中心地として知られています。 また、山岳地帯が広がり、特にカルスト地形が目立ちます。


中部 : フエ、ダナン、ホイアンなど中部の都市は歴史的な遺産が豊富で、特にフエはかつてベトナムの皇帝の都であり、多くの宮殿やベトナム戦争の遺産もこの地域に残っています。また、山岳地帯と沿岸地域が組み合わさっており、美しいビーチが多くあります。


南部 : ベトナムの経済の中心地であり、ホーチミン市(旧サイゴン)はベトナム最大の都市で工業、商業、金融が盛んです。また、南部は広大な平野が広がり、メコンデルタと呼ばれる肥沃な地域があります。この地域は農業に適しており、米などの作物が栽培されています。

 

(2)ベトナムの行政区はどうなっているの?

ベトナムの地方行政区画は、3級制で58の省(tỉnh, 省)と5つの中央直轄市からなる第一級行政区(省レベル)、第二級行政区(県レベル)、第三級行政区(町村レベル)に分れています。
中央管轄市とは、政府の管轄を直接受ける市。同国の省には属さず、独自の行政権限を持つ特別な地方行政単位になります。
中央管轄市:ハノイ市 、ホーチミン市、ダナン市、ハイフォン市、カントー市

 

(3)気候と災害リスク

【気温】

ハノイ(北部)

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温 20 21 23 28 32 33 33 32 31 29 26 22
最低気温 13 14 17 21 23 26 26 26 24 22 18 15

ホーチミン(南部)

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温 32 33 34 35 33 32 31 32 31 31 31 31
最低気温 21 22 24 25 25 24 24 24 24 24 23 22

※青字部分が雨季になります。

 

南北に長い国土を持つベトナムの気候は、北部は亜熱帯性気候に属しており四季が感じられ、冬の11月から3月は意外と寒く防寒着の準備が必要です。 南部は熱帯性気候に属し乾季と雨季があり、年間を通じて気温の高い状態が続きます。

 

【降水量】

 

北部: 5-9月の雨季は大変暑く、雨量もかなり増えます。ハノイなどの都市では、夏季に多くの降水があり、これが米やその他の農産物の栽培に適しています。
南部: 年間を通じて高温多湿です。特に雨季(5月から11月)には豪雨があり、洪水のリスクが高まります。

 

【災害リスク】

 

ベトナムには火山がありませんので、地震リスクは低いと言えますが、過去にマグニチュード6程度の地震が起きているので、全くないとも言い切れません。 また、フィリピンで地震が起きて津波が発生すると2時間程度でベトナムに到着してしまいます。南北全体が南シナ海に面している為、津波のリスクは考慮しなければいけないかもしれません。それよりもリスクが高いと言えば、毎年発生するモンスーンの影響で暴風や洪水にさらされるリスクの方が高いかもしれません。
ベトナム政府も認識しており、ベトナム政府は省庁間委員会の傘下で国家レベルの災害リスク管理と災害対応活動を調整し、その活動は省、県、市、区レベルにも及んでいます

 

 

 

 

5. まとめ

 

ここまで、ベトナム不動産の基礎の基礎となる、国全体の雰囲気をお伝えしてきました。

東南アジアらしい気候で、多少の災害リスクはありそうだなというものの、国家レベルで対策をしている点では安心ですね。 しっかりと産業もあり、人口増加している、社会主義国故の中央管轄市がしっかり統治されている、といった点からも投資環境はよさそうだなという事がわかりました。

不動産投資は、国の成長率がいいからと言って、どこに投資しても成功するわけではありません

次号では、一体どこに注意して不動産を購入していくべきかを詳しくご説明していきたいと思います。

 

次回の記事はコチラ:ベトナムに不動産投資を考えたらまず読もう! 物件選定編

次々回の記事はコチラ:ベトナムに不動産投資を考えたらまず読もう! 購入と送金編

 

荒木 杏奈
執筆者:荒木 杏奈
Asset Ocean株式会社
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