ベトナムに不動産投資を考えたらまず読もう! 物件選定編
今回は、他ではなかなか知ることのできないベトナム特有の不動産市場についてご説明したいと思います。
まずは、ホーチミン全体の雰囲気からご説明します。
目次
1. ベトナムのどこに投資する?
(1)ホーチミン一択!
不動産投資の要である立地、海外不動産においてもまずはマクロでみて判断します。
ホーチミンなくしてベトナム経済は語れません。ベトナム国民の10%強が国内トップの人口密度を作り経済·海外投資も活発なんです。足を運んでみればその活気が伝わってきます。
そして、給与・賃金についてはホーチミンとその周辺の「南東部」が全国平均の1.7倍の水準となっております。
正に、人・物・金が集中しているのがわかりますね。
また、ハノイ、ホーチミン、ダナンの3都市での比較した時、ホワイトカラー人材一番多いのもホーチミンです。また、その管理職が最も多いのもホーチミンです。
やはり投資目線で考えると 中央管轄市のホーチミン1強ですね。
(2)ホーチミンの位置関係を確認しましょう
ベトナム不動産投資をされている方とお話ししていると、数字で地名をお話しされることが多く、気になるところ!
ホーチミンの中の位置関係などを調べてみましょう。
ホーチミン市は2020年に新しい行政区に再編され、現在は24の行政区に分かれています。以下は、ホーチミン市の行政区の一覧です。
市街地区(19区) |
1区 |
旧2区 トゥドゥック市 |
3区 |
4区 |
5区 |
6区 |
7区 |
8区 |
旧9区 トゥドゥック市 |
10区 |
11区 |
12区 |
|
ビンタイン区 | ビンタン区 | ゴーヴァップ区 | タンビン区 | タンフー区 | フーニャン区 | |
郊外県(4県) | ニャベ県 | カンゾ県 | クチ県 | ホクモン県 | ビンチャイン県 |
ホーチミン市は、1-12区までを数字で呼び、それ以外の6区を”市区”とし、周辺の5県から構成されています。
2020年12月9日に2区・9区と合併してトゥドゥック市となり両2区は消滅してしまいました。トゥードゥク市はホーチミン市直轄で、全国初の市直轄の第1級市になり、ベトナムの中では初の試みです。
代表的なエリアについて少し触れていきたいと思います。
◆ 1区
ホーチミン市の中心的な地区で、多くの観光名所、ショッピングエリア、レストラン、バーが集まっています。ノトルダム大聖堂や中央郵便局、ベンタイン市場などがあり、観光客に人気です。
◆ 旧2区(トゥドゥック市)
旧2区は、タオ ディエンとも呼ばれ、高級住宅地として知られ、外国人居住者や外国からの投資家に人気があります。多くのインターナショナルスクールやショッピングモールもこのエリアにあります。
◆ 5区
多くの伝統的な市場や寺院がある歴史的な地区です。また、チョロンと呼ばれ中華街としても知られており、美味しい中華料理を楽しむことができます。
◆ 旧9区(トゥドゥック市)
9区にはサイゴンハイテクパーク(Saigon Hi-Tech Park)があり、2017年以降、多くのハイテク企業や研究機関が集まっています。これにより、トゥドゥック区と2区に隣接した9区はベトナムのハイテク産業の中心地となり、テクノロジー企業、医療施設、倉庫、サービス産業、商業施設が次々と開発されております。
◆ ビンタイン区
ビンタイン区はVINHOME Central Parkありホーチミン市の中心部に近く、多くの住宅地があります。また、ファン ビッチャン(Phu viet chanh)には多くのカフェやレストランがあり、地元の居住者に人気があります。
◆ タンビン区
タンビン区には、タンソンニャット国際空港があり、ホーチミン市への到着や出発地点として重要です。また、ヴィラムーン市場やAEONなどもあります。
このように、ホーチミン市内の各区は、それぞれ異なる文化、歴史、経済活動、および住民コミュニティを持っており、地元住民や訪問者にとって特別な意味を持っています。仙台、博多、名古屋、横浜中華、土浦が1都市に集中しているような多文化が雰囲気です。
(3)インフラ整備はどうなってるの?
ベトナムでは、南北に伸びた各都市を繋ぐ鉄道はあるものの、ホーチミン市内のインフラは整ていませんでした。
現在、ホーチミンでは、日本との円借款事業で鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)の建設が進められており96%完工、試運転も行い、2024年7月の商業運転開始を予定しています。
メトロ1号以降の路線も順次着工予定となっております。
しかしながら、新興国ですので工事の遅延も含んで物件エリアの検討しなければいけません。
引用サイト:ホーチミン都市鉄道建設プロジェクト 1号線
(3)メトロ1号線が与える影響について
タイのバンコクで、2000年頃に渋滞がひどく、バイクですら身動き取れない時期がありました。そこに都市交通のモノレールが完成し、当初は誰も利用しなかったのですが、使い始めると人々は便利さを知り生活が一変しました。さらに、インフラに携わる人の雇用が生まれ、都市のアクセス性の向上は、ビジネスの加速だけでなく、新たなビジネスや観光の機会を生み出します。
また、大気汚染の軽減に寄与することが期待されます。
ベトナムでは、先行してハノイでメトロの運航が始まり、中心地へのバイクと車の流入を規制した効果もあり、2022年のハノイ都市交通の売上高は前年の6倍にも昇りました。
周辺の土地価格は、開業開始後駅周辺は直ぐに10%の上昇みられました。押し上げられるようにメトロ周辺以外でも全体的に上昇は続き、現在でも開業当時から比べると20%~30%程上昇しています。
ホーチミン市でも、同じ現象が起きることが予測され、タイミングで見れば駅近、駅直物件は同じ傾向をたどると見ています。ただ、全ての物件が対象ではなく現実の相場に合った物件、若しくは相場より割安な物件を狙うのが前提です。
そこのギャップを狙って、物件選定をしたいと思います。
引用サイト:VETOJO記事
2. ベトナム不動産を買うなら絶対に知っておくべき
(1)ベトナム人にとって不動産とは!?
ベトナムドンの”0″の多さ気になりませんか?
ローカルランチ30,000ドン(180円)⁉ 規制等の理由でデノミネーションこそしないものの、経済成長率を加味しても検討してよいレベルだと感じています。
それくらいの勢いで成長している国ですので、現地の人にとって不動産購入するという事は、資産保全を意味しています。急速な経済成長の中で、現物資産に変えて物価スライドさせないと、現金の価値が下がってしまうからです。
しかし、ここではホーチミンでは、外国人投資家の買う物件と現地人が買う物件の売れ筋が違うので現地で人気、完売したとしてもこれが外国人向けの投資物件として良いかは別問題です。しっかりと、選定しなければいけません。
(2)ベトナム不動産には二重価格の存在!
なんとベトナムの不動産売買市場は、「ベトナム人マーケット」と「外国人マーケット」の2つのマーケットが成り立っています。
なんでこんな2つのマーケットが成り立っているのかというと、新築プロジェクトを販売する際、1棟のうち外国人に販売できる個数を制限したのです。(現在では、新規プロジェクト総戸数の30%を外国人が購入可能となってます。)全て外国人に占拠されては困ると考えたのでしょうか。
さらに、ここから中古市場ではどんな売買が発生するかというと、
【外国人が購入した物件を売却する時は、外国人もベトナム人も購入可能】
→ 外国人マーケットの誕生
【ベトナム人が購入した物件を売却する時は、ベトナム人のみ購入可能】
→ ベトナム人マーケットの誕生
ということは、外国人が一度ベトナム人に売却してしまうと、もう外国人マーケットには戻ってきません。外国人が購入できる物件が減ってしまうのです。これを起点として、2つのマーケットが成り立っていくのです。こうして出来上がった2つのマーケットですが、私達外国人が投資できるのは”外国人マーケット”のみになり、流通量は新プロジェクトが発表されない限り増えることはありません。
ここのギャップをよく見て、物件を選定していきましょう!
(3)厳選された物件の選定方法
ベトナムには、日本でいうHOME’SやSUUMOのような消費者が物件価格を比較するようなサイトはなく、全て相対取引で行われます。
また、ローカルに住んでいる人の実需物件と外国人投資家が投資目的で購入して駐在員に貸す賃貸物件では需要と価値が変わってきます。日本で例えると地方の公団と都心のタワーマンションくらいの価値と需要のギャップがあります。
では逆に、地方に建てられた、壮大なプロジェクト。。。
人口が増えているとは言え、まだまだインフラ整備も整っていないホーチミンにの需要マッチするのでしょうか。
インフラ整備の期待はまだまだこれからですので、やはり狙っていくのはホーチミンの中心地の1区、2区、9区(2区寄り)、ビンタイン区、またメトロ1号の駅近物件になります。
このギャップを見つけるのは、長くベトナムを見続けてきたプロの目線が絶対必要ですね。
3. まとめ
ホーチミンの位置関係と、後半ではなかなか他では聞くことのできないベトナム不動産の特殊な事情について説明させていただきました。現在は新しいプロジェクトが認められておらず新築プロジェクトもない為、中古不動産をしっかりとしたプロの目線で選定してもらう必要がありそうですね。
次回では、購入時に大切な送金方法と具体的な物件価格も踏まえてお伝えしていきたいと思います。
前回の記事はコチラ:ベトナムに不動産投資を考えたらまず読もう! 基礎情報編
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Asset Oceanが根本的に解決を目指す課題は、海外不動産投資のハードルを下げ、市場を活性化させることです。