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カンボジアでの不動産投資は注意が必要!ポイントと手順を解説!

カンボジアでの不動産投資は注意が必要!ポイントと手順を解説!
「カンボジアの不動産投資にはどういった特徴があるのかを知りたい」
「カンボジアで不動産を購入する方法が知りたい」

など、こちらの記事をお読みの方の中で、カンボジアで不動産投資することに興味を持たれている方もいらっしゃるでしょう。海外不動産投資の中でもカンボジアは不動産価格の上昇や高い利回りが期待出来るためです。ただし、カンボジアは外国人投資家へ規制があり、不動産投資をする際に気をつけるべきポイントも多くあります。

そこで、この記事ではカンボジアで不動産投資をするときのメリットや注意点、購入手順などについて詳しく解説していきます。カンボジアでの不動産投資を検討している方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。

 

1. カンボジアとは?

 

 

不動産投資を行う前にカンボジアとは、どういった国であるかを知っておくことが重要です。カンボジアがどういった国かを知るうえで、重要なポイントは以下の3つになります。

 

 

(1)1970年から22年間内戦を行っていた

カンボジアは1970年から22年にわたって内戦が続いていました。この内戦により法律関係の書類や政府の書類が処分されたため、過去の不動産の所有権もわからなくなっています。そのため、1979年以前の所有権が無効になっており、現在でも多くの物件が登記されていません。

 

参考:法務省

 

 

 

(2)労働人口が若い

 カンボジアの人口は2020年現在1650万人(2020年IMF推定値)になっており、平均年齢が24.5歳と若年人口が多いことが特徴です。そのため、若年の労働人口も多く、今後も人口が増加していくことが予想されます。

 

参考:みずほ銀行

 

 

 

(3)経済成長している

カンボジアは新型コロナウイルスが発生する前の2019年のGDP成長率が7.0%になっており、今後も成長することが予想されています。

 

 

参考資料:みずほ銀行

 

そのため、不動産需要や不動産価格の増加を期待することが可能です。

 

 

 

 

2. カンボジアで不動産投資するメリット

 

カンボジアで不動産投資をするメリットは以下の3つです。

 

・経済成長により不動産価格が上昇している

・米ドルが流通しているため為替リスクが低い

・非居住者でも口座開設が出来る

 

それぞれについて説明します。

 

(1) 経済成長により不動産価格が上昇している

 前述したようにカンボジアは現在経済成長を続けており、人口も増加しています。それに伴い、不動産需要が高まることで不動産価格が上昇している状況です。しかも、物価も経済成長に併せて上昇しているため、更なる不動産価格の上昇が期待されています。ただし、発展している場所は首都のプノンペンなどに限られているため、投資する際は現地の情報を集めて慎重に投資をすることが重要です。

 

 

(2) 米ドルが流通しているため為替リスクが低い

カンボジアは自国通貨のリエルだけでなく、米ドルが多く流通しています。そのため、米ドルで決済が可能です。米ドルは世界で一番の流通量を誇る基準通貨であるため、非常に信用度が高い通貨になります。したがって、米ドルで不動産から収入を得ることで、為替リスクを軽減した投資をすることが可能です。

 

 

(3) 非居住者でも口座開設が出来る

カンボジアは非居住者でも銀行口座を開設することが出来ます。一方で発展途上国では、非居住者が銀行口座を開設出来ないように規制している国も多いです。ただし、ほかの国と同様に今後開設出来なくなる可能性もあるため、口座開設を考えている方は早めに開設するようにしてください。

 

 

 

 

3. カンボジアで不動産投資をする時の注意点

 

 

カンボジアで不動産投資をする時の注意点は以下の3つです。

 

(1)外国人に対して土地を所有などの規制がある

(2)中古物件が購入しづらい

(3)プレビルド方式で建設されている

 

それぞれについて説明していきます。

 

 

(1) 外国人に対して土地の所有が出来ないなどの規制がある

カンボジアは外国人に対して不動産を購入する際に多くの規制があります。

主の規制は以下の3つです。

 

・土地の所有が出来ない

・建物の1階部分や地下部分が所有出来ない

・建物全体の70%までしか外国人は購入出来ない

 

上記のような規制があるため、外国人が一戸建て住宅を所有することは非常に難しいです。そのため、コンドミニアムが主な投資対象になります。

 

 

(2) 中古物件が購入しづらい

カンボジアは不動産市場がまだ成熟していないため、中古物件の取引量が非常に少ないです。そのため、主な投資対象は新築物件になります。カンボジアで投資する場合は新築のコンドミニアムなどを検討するようにしてください。

 

 

(3) プレビルド方式で建設されている

カンボジアで不動産を購入する場合、プレビルド方式という購入方法が一般的です。プレビルド方式とは、不動産の着工前に購入を決定し、工事の進捗に合わせて分割でお金を支払う形式になります。

 

例えば、完成までに4年掛かる物件の場合、完成までの4年間で購入費の50%を支払って、残り半分を完成後に支払う形です。購入費を先に支払っているため、不足の事態が発生した場合、支払った購入費が戻ってこないリスクがあります。このようなリスクを軽減するために、大手のデベロッパーや日系のデベロッパーが建設している物件を選ぶようにしてください。

 

 

 

 

4. カンボジアで不動産を購入する時にかかる諸経費

 

カンボジアで不動産を購入する時に掛かる主な諸経費は以下の3つです。

 

■資産譲渡税 : 物件売買価格の4%

■固定資産税 : 物件評価額の0.1%/年

■売買手数料 : 仲介会社に払う手数料会社によって異なる

 

物件の購入費以外に上記の経費も掛かるので、これらの費用も含めて資金計画を立てるようにしてください。 

 

 

 

 

5. カンボジアで不動産を購入するときの手順

 

 

カンボジアで不動産を購入するときの手順は以下の5つです。

 

(1)情報収集をしてエージェントや仲介会社を探す

(2)現地視察をして立地選定する

(3)不動産の売買契約をする

(4)費用の支払い

(5)物件の引き渡し

 

それぞれについて解説します。

 

 

(1)情報収集をしてエージェントや仲介会社を探す

カンボジアの不動産を購入するときに最も重要なのが信頼出来るエージェントや仲介会社を見つけることです。現地の不動産会社との交渉や情報収集といった不動産取引で必要な手続きをスムーズに行うためには、エージェントや仲介会社が欠かせません。

 

ただし、仲介会社やエージェントによっては日本語対応が出来ない会社もあるため、日本人スタッフがいる会社を選ぶようにしてください。細かいニュアンスの違いなども同じ日本人ならわかりますので、ストレスのない不動産取引が可能です。

 

 

 

(2)現地視察して立地選定

可能であれば現地に行って立地などを確かめてから投資することをおすすめします。細かな点が確認出来ることや仲介会社やエージェントの情報の正確性を確かめることが出来るためです。

 

 

 

(3)不動産の売買契約をする

 仲介会社を通して送られてきた契約書に拇印をすることで契約が成立です。カンボジアは青いインクをつけて拇印を押すのがサインや印鑑の代わりになります。

 

また、日本語の契約書をもらうことも出来ますが、原本についてはカンボジアの言語であるクメール語で書かれているため、クメール語の契約書の内容に従う必要があることを理解しておくことが重要です。仲介会社は日本語をベースとした契約書の説明はしてくれますので、分からないことがありましたら、遠慮せず色々質問してみてください。

 

 

 

(4)費用の支払い

 契約が成立すると決められた期日内に支払います。プレビルド方式の物件を購入した場合は、契約時と完成時に分割して支払う必要があるため、注意が必要です。自身の物件がどういった支払いになるのかは事前に確認するようにしてください。

 

 

 

(5)物件の引き渡し

 コンドミニアムが完成して、最後の支払いが終われば物件の引渡しになります。物件の完成後2〜3ヶ月程度で引渡しが行われるケースが一般的です。

 

 

 

 

6. まとめ

 

カンボジアの不動産投資は他の海外不動産投資と比べて、今後も不動産価格が上がっていくことが期待出来ます。ただし、発展途上国であるため注意点も多く、ほかの国との違いを良く理解して投資することが重要です。この記事をカンボジアで不動産投資を検討する際の参考にして頂けると幸いです。

 

 

荒木 杏奈
執筆者:荒木 杏奈
アンナアドバイザーズ株式会社(Anna Advisors Co.,Ltd)
CEO / 宅地建物取引士 / 1984年生まれ、東京都出身
大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。
2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎

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