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海外不動産小口化商品とは?メリットとデメリットを詳しく解説

海外不動産小口化商品とは?メリットとデメリットを詳しく解説
法律が改正され小口化商品が実現しました。手軽に投資ができるのは嬉しいところですが、注意点などもあります。

国内の不動産小口化商品の種類ほど多くないですが、海外不動産の小口化商品も少しずつ増えてきました。

そこで今回は、海外不動産小口化商品のメリット、投資する際の注意点、また実際にオススメしたい商品などについて詳しく紹介していきます。海外不動産小口化商品についてご興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。

 

1. 法改正で海外不動産が対象の小口化商品が実現

 

法律が改正されて、特例事業の要件を満たせば海外不動産を対象とした小口化商品も実現できるようになりました。これは不特法という法律によるものです。
基本的には不動産の実物投資となると投資金額が大きくなりますので、いきなり大きな金額で投資をするには抵抗がある方は、小口化商品であれば比較的気軽に始めることができます


しかし、小口化商品の仕組みについてあまり把握できていない方も多いです。こちらの章では、小口化商品の概要、そして仕組みが似ているリートとの違いについて紹介していきます。

 

 

 

 

(1) そもそも小口化商品とは

小口化商品は不特法の承認を取れている不動産会社が販売する、1万円から購入できる不動産投資商品です。

都心の一等地にあるような個人投資家ではなかなか購入できないような物件を小口化することによって、1万円などの少額から投資することができるのは最も大きな特徴と言えます。

 

不動産投資に興味はありますが、数千万円もするような物件を購入するのにリスクが大きいと感じている方から人気を集めています。

 

 

 

 

(2) リートとの違い

少額で購入できる不動産投資商品として、リートと同じなのではと思われている方も少なくないでしょう。根本的な違いとして、小口化商品は国土交通省の管轄になりますが、リートは金融庁管轄の金融商品になります。

 

・ 小口化商品
不動産会社が販売元で、都心などの一等地にあるようなレジデンス、シェアハウスなどの投資商品になります。

 

・ リート
証券会社を通じて購入します。レジデンスからはじめ、ショッピングモール、流通センター、リゾートホテルなどさまざまな不動産商品に投資することができます。

 

 

 

 

 

 

2. 海外不動産小口化商品のメリット


海外不動産小口化商品のメリットは、主に次の2つです。

 

・ ほとんど手間なく簡単に投資できる
・ 少額から無理せず為替リスクを分散できる

 

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

 

 

 

 

(1) ほとんど手間なく簡単に投資できる

海外不動産を自分だけで購入する場合は、現地で物件を確認したり、契約内容の確認をしたり、購入後の管理まで非常に手間がかかります。また言葉の壁など超えなければいけないハードルも高くなります。

 

しかし、小口化商品の場合は物件を自分で管理することなく、少額から購入ができることから、ほとんど手間なく簡単に投資ができることは非常に大きなメリットと言えます。

 

 

 

 

(2) 少額から無理せず為替リスクを分散できる

為替リスクを分散するため海外不動産投資を検討されている方も少なくないでしょう。
しかし、不動産購入となるとまとまった資金が必要になるため、したくてもできない方も多いです。

 

一方、小口化商品にすると投資金額は少額からできるため、無理せず自分が投資できる金額から少しずつスタートできるとハードルも一気に下げることができます。

 

 

 

 

 

3. 海外不動産小口化商品のデメリット


メリットがある反面デメリットもあります。以下にて海外不動産小口化商品のデメリットについて解説します。

 

・ 転売できない
・ カントリーリスク
・ 事業者の倒産リスク

 

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

 

 

 

 

(1) 転売できない

「小口」という名前がついているように、これは、ひとつの大きなものを、みんなで分割して購入しているといったイメージとなります。

そのため、基本的には部分的に転売するというようなことはできません。

急遽現金が必要になり転売したくてもできないので、投資する際に余暇資金でするなど注意する必要があります。

 

 

 

 

(2) カントリーリスク

どのような国にも特有の事情があるためカントリーリスクが存在します。それは、小口化商品であったとしても同様です。そのため、海外不動産に投資をするときと同じようなカントリーリスクを考慮したうえで商品を選ばなければいけません。


それぞれの国の事情や政治的な背景、各国の内情などを詳しく確認したうえで、どのような国に投資するのかを決めていくのが重要です。

 

 

 

 

(3) 事業者の倒産リスク

国内の小口化商品の場合は事業者が倒産した場合には新たな事業者に引き継がれるなど、きちんと対策が立てられていますが、海外不動産の場合はそのあたりの制度がきちんとできていないケースも考えられます。
よって、投資を検討する前に商品の仕組み、その事業者の実績などを事前に確認するにようにしてください 。

 

 

 

 

 

 

4. オススメしたい海外不動産小口化商品


こちらの章では、オススメしたい海外不動産の小口化商品をご紹介します。

 

 

オリアナ

コンドミニアムを小さく分割して投資するというタイプの商品です。
こちらの投資商品の想定利回りは6%で、対象エリアはマニラとなります。

 

 

ウォルトンインターナショナル

創業40周年と歴史のある会社です。海外の企業ですが、やりとりは日本語でできるので、初心者でも安心でしょう。

 

 

ガイアファンディング

アメリカの不動産に特化したソーシャルレンディングサービスです。

少額から海外不動産に分散投資できます。実績の高さも魅力です。

 

 

 

 

 

5. 海外不動産小口化商品が向いている人


小口化商品が向いている人の代表例としては、運用資産の中に海外不動産を組み入れたいという人と言えるでしょう。すべての資産をひとつの通貨に集めておくのが不安という方にもおすすめです。小口化商品を購入しておけば外貨のインフレにも対応することができます。

 

また、一般的な海外不動産投資の場合は、購入からはじめ、契約締結、購入後の現地の管理会社などとやりとりをするために、言語の壁など様々な壁が生じてハードルが高くなりますが、小口化商品であれば、そのような手間はほとんどなくスタートすることができます。

 

とにかくハードルを下げて海外不動産投資をしたいと考えている人にとって、小口化商品は非常に適している手法とも言えます。

 

 

 

 

 

6. まとめ


今回は海外不動産投資の小口化商品について詳しくご紹介しました。従来では大きな金額でしか投資できなかった不動産商品ですが、法律が改正されて少額でも投資できるようになりました。

 

海外不動産投資の初心者でも気軽に始めることができますが、注意点も多くあることから、失敗しないためには今回ご紹介したような内容をチェックしてから始めるのがおすすめです。

 

 

荒木 杏奈
執筆者:荒木 杏奈
Asset Ocean株式会社
海外不動産をもっと身近に感じてもらうための、海外不動産投資・賃貸情報のプラットフォームです。
Asset Oceanが根本的に解決を目指す課題は、海外不動産投資のハードルを下げ、市場を活性化させることです。

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