2026年2月28日のイスラエル・アメリカの攻撃をきっかけとしたイラン情勢は、当事国間の対立が続き、未だに先行きが不透明な状態にあります。
イランは報復として中東湾岸諸国に攻撃を続けており、攻撃対象となったドバイにも被害が出ました。
ドバイは富裕層を中心に移住先として高い人気がありますが、現在の中東情勢を鑑みるとドバイへの移住に不安を覚える方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、イラン情勢下でドバイに移住するリスクや、安全性を判断するためのチェックポイントなどをご説明します。
ドバイに移住してよいかどうかの具体的な判断基準も解説しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

ドバイ移住は戦争でも安全なのかを判断するための3つの結論
イラン情勢は現在も解決しておらず、不透明な状況が続いています。
中東が戦争の状況下にあっても、ドバイには安全に移住できるのでしょうか。
ここでは、現在の状況でドバイに移住する際のチェックポイントを3つに分けて解説します。
①ドバイ本土が直接攻撃されるリスクは極めて限定的
ドバイを含むUAEは中東諸国でも比較的中立的な外交スタンスを維持しており、戦争の直接的な当事国になる可能性は低いとされています。
主要な軍事衝突はイスラエルやイラン周辺で発生するケースが多く、地理的にも一定の距離があるため、ドバイの都市そのものが直接的な戦場になるリスクは限定的です。
ただし、近隣地域での緊張が高まれば間接的な影響は避けられないため、「完全にノーリスクではない」という認識が重要です。
ドバイに向けたミサイル・ドローンなどによる攻撃にも、引き続き警戒する必要があります。
②「経済・金融リスク」は無視できないレベルで存在
イラン情勢のドバイへの影響は市内への直接的な被害だけでなく、経済や金融市場にも大きく波及します。
特に中東地域では原油価格の変動や物流の停滞・航空路線の制限などが発生しやすく、ドバイの不動産市場や金融市場にも一時的な影響を与えています。
また、不動産市場に投入される資金の急激な流入・流出によって価格の変動幅が大きくなりやすい点にも要注意です。
移住に加えて資産運用も視野に入れる場合、金融・不動産市場へのリスクを正しく認識しておく必要があります。
③安全かどうかの判断基準は移住の目的や資産状況でも変化
ドバイが安全かどうかは一律に判断できるものではなく、移住の目的や生活設計によって大きく変わります。
例えば、節税だけを目的とした短期的な移住はリスクに弱く、環境変化に対応できない可能性があります。
一方で、資産や生活拠点を分散し長期的な視点での移住を計画していれば、リスクを比較的コントロールしやすいでしょう。
ドバイ各地の現在の安全性よりも、移住がご自身の目的や資産状況に見合っているかのほうが重要といえます。

イラン情勢がドバイに与える3つのリスク
イランの報復攻撃はドバイにも向けられており、市内は概ね落ち着いた様子であるものの、現在は通常時よりも危険が発生しやすい状況です。
ここでは、イラン情勢がドバイに与えるリスクを3つに分けて解説します。
①軍事リスク|報復攻撃の継続による被害
イランがドバイに直接的な侵略作戦を展開する可能性は低いものの、報復攻撃による危険は無視できません。
実際にUAE国内では複数箇所にわたってイランの攻撃による被害が発生しており、周辺地域の緊張がUAE国内に波及するリスクがあります。
ただし、ドバイは経済都市としての側面が強く、政治的な中立性から戦略的な攻撃対象になりにくいとも考えられています。
軍事的なリスクを過度に恐れる必要はありませんが、「危険がゼロではない」という認識が重要です。
②経済リスク|株価・不動産・通貨への波及
イラン情勢などの非常事態には株価や不動産・為替市場が大きく動きやすいですが、ドバイの場合は独特の動きを見せることがあります。
一部の富裕層や投資家にとってはドバイの経済的な安定性・発展性が魅力になるため市場に資金が流入し、不動産価格が上昇するケースもあります。
一方で、想定以上の非常事態によって資金が流出した場合、不動産取引が停滞し短期的な価格調整が起こる可能性も否定できません。
ドバイ経済は単純な値動きではなく、「富裕層・投資家の心理的変化や資金が動くタイミングによって振れ幅が大きい市場」として理解することが重要です。
③生活リスク|現地居住者への影響と実態
イラン情勢の影響は、ドバイ居住者の日常生活にも一定の変化を与えやすいです。
例えば、航空便の減少やルート変更・物価の上昇・一部サービスの制限などが考えられます。
ただし、ドバイはインフラや行政機能が比較的安定しているため、居住者の生活に深刻な影響を及ぼす可能性は低いとされています。
実際、多くの住民が平常時に近い生活を維持しているケースも多くみられます。
イラン情勢にともなう一定の不便や変化を受け入れる準備は必要ですが、過度に警戒する必要性は少ないでしょう。
イラン情勢下でも移住者がドバイを選ぶ3つの理由
前述したように、イラン情勢は流動的な状況にあり、見通しが不透明です。
ただし、現在の状況においてもドバイ移住を選択する移住者が存在します。
ここでは、イラン情勢下でもドバイが移住先として選ばれる理由を3つに分けて解説します。
①他国よりも非常に有利な税制優遇
ドバイは原則として個人所得税や固定資産税・キャピタルゲイン税などが非課税で、法人税も一定条件下で優遇されるなど、資産形成に有利な環境が整っています。
特に所得の高い富裕層や高額な物件ほど、税金がかからないことのメリットが大きくなります。
世界中の金融機関や投資家が集まる国際的な金融の中継点としての機能も持っており、資金の流動性が高い点も魅力です。
税制面の優位性や外資の活発な流入によって、多くの富裕層や投資家がドバイを移住先に選ぶ理由となっています。
②政治的な中立性による外資の集中
UAEは中東の中でも比較的バランスの取れた外交を行っており、特定の国家に強く依存しない外交方針を維持しています。
UAEの政治的中立性は、世界各地から資本や企業を引き寄せる要因となっています。
中立性の高い政治方針に惹かれて多様な国籍の人々や企業が外資をともなって集まりやすいため、経済が安定的に成長しやすい状態です。
地政学リスクをともなう地域でありながらも、一定の安心感を持ちやすい環境が整っている点は大きな特徴です。
③他国と比較した際の税制・不動産取得の柔軟性
ドバイはシンガポールなどほかの国際都市と比較しても、税制や規制の柔軟性において優位性があります。
以下の表は、ドバイとシンガポールで、主な税制と不動産取得に関する条件を比較したものです。
税制面
| 項目 | ドバイ(UAE) | シンガポール |
| 所得税 | 原則として0% | 0〜22%の累進課税 |
| 固定資産税 | 原則として0% | 0〜32%の累進課税(国内居住者) |
| 法人税 | 9%(一定条件以上) | 17%(優遇制度あり) |
| 消費税 | 約5%(VAT) | 9%(GST) |
| 社会保険 | 原則として0%(外国人) | 強制積立あり(外国人は対象外) |
| キャピタルゲイン税 | 0% | 0%(例外あり) |
不動産取得条件
| 項目 | ドバイ(UAE) | シンガポール |
| 外国人の購入可否 | 可能(原則自由) | 可能(制限あり) |
| 購入できる物件 | フリーホールドエリア内の物件 | 主にコンドミニアム |
| 土地付き物件 | 可能(指定エリア内) | 原則不可(許可制) |
| 不動産の所有権 | 完全所有 | 所有可だが制限あり |
| 居住ビザ | 不要(購入のみ可) | 不要(ただし居住とは別制度) |
| 最低購入価格 | 明確な下限なし(ビザ取得は別) | なし(ただし物件が高額) |
不動産取得に関しては、外資誘致の促進目的からドバイのほうがシンガポールより全体的に規制が緩やかです。
ドバイ政府が外資優遇の一環から外国人の不動産購入を促進しているのに対し、シンガポールは国民が優先的に不動産を取得できるように法整備をしています。
所得税・固定資産税など税の負担が軽い点や、外国人の不動産投資の購入ハードルが比較的低い点は大きな魅力です。
ただし、中東全体がほかの地域と比較して地政学リスクは高くなりやすいため、単純な優劣では判断できません。
税制的な優位性や地政学リスクの検討など、目的に応じた選択が重要です。

ドバイ移住を判断するために押さえるべき3つのチェックポイント
イラン情勢下にあっても、ドバイへの移住は決して無謀な選択肢ではありません。
ただし、ドバイに安全に移住するには、いくつかの条件を満たしておくことがベストです。
ここでは、ドバイ移住の可否を判断する際に押さえておきたいチェックポイントを3つに分けて解説します。
①日本への帰国ルートを確保できているか
ドバイに移住する際は、生活拠点を一つに集中させるのではなく、日本や他国と分散させることが重要です。
特に有事の際には、迅速に移動できる手段を確保できているかどうかが安全性を大きく左右します。
帰国ルートや滞在先をあらかじめ確保しておくことで、予期せぬ状況にも柔軟に対応しやすくなります。
日本にいつでも戻れる状態を維持することが、リスク管理の基本です。
②滞在資格・ビザと就労/収入基盤が安定しているか
ドバイでの生活を継続するためには、ビザの十分な有効期間や収入の安定性が不可欠です。
特にフリーランスや個人事業主の場合、収入源が不安定だと有事の際に生活が立ち行かなくなる可能性があります。
また、ビザの発給・更新条件が変わる可能性もあるため、ビザを長期的に保有できるかどうかを事前に確認しておくことが重要です。
日本へのスムーズな帰国を想定しておき、「移住できるか」ではなく「安全に暮らせる状態を維持できるか」といった視点で判断する必要があります。
③有事を前提とした生活費・避難計画を準備できているか
非常事態の発生リスクを考慮するのであれば、普段から備えをしておくことが重要です。
具体的には、一定期間生活できる資金の確保や複数通貨での資産保有・避難ルートの確認などが挙げられます。
ドバイでの1か月ごとの生活費の目安を算出しておけば、計画性のある資金繰りをしやすくなります。
また、緊急時に連絡が取れる体制を整えておくことも重要です。
前もって準備をしているかどうかで、有事の際の対応力が大きく変わります。
まとめ
ドバイは現在、イランによる攻撃を受けており、国内の複数箇所に被害が発生しています。
通常時より注意が必要な状況である一方、ドバイの政治的中立性や経済的基盤により、外国や人や資本が流入する可能性もあります。
事実として、ドバイでは市内は概ね戦争前に近い落ち着いた状況を取り戻しており、観光客や移住者の入国も多いです。
ドバイへの移住は正しくリスクを理解し、適切な対策を講じていれば、現在も決して避けるべきものではありません。
移住の目的や重視したいポイント・ご自身の資産状況などを総合的に判断し、意思決定することが重要です。
弊社ではドバイのほか、カンボジアなど複数国の物件を仲介可能です。
幅広い観点から海外移住をご検討の方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。
Asset Oceanが根本的に解決を目指す課題は、海外不動産投資のハードルを下げ、市場を活性化させることです。


