海外不動産投資のリスクの種類と回避策を教えます!
「リスクに対する対応策を知りたい」
海外不動産投資を考えている方の中には、上記のような不安を持たれている方が少なくありません。国内不動産投資と比較してリスクが多い印象が強いためです。実際に海外不動産投資には日本の不動産投資にないリスクが多くあるため、リスクとその対応策を理解しておかなければいけません。
そこで、この記事では海外不動産投資のリスクとその対処法について詳しく解説していきます。海外不動産投資を検討している方は最後まで読んで参考にしてみてください。
目次
1. 投資目的で海外不動産を購入した時の6つのリスク
海外不動産投資には以下の6つのリスクがあります。
(1)経済によるリスク
(2)為替変動によるリスク
(3)カントリーリスク
(4)情報収集が難しいことによるリスク
(5)融資を受けるのが難しいことによるリスク
(6)物件管理が難しいことによるリスク
それぞれについて説明していきます。
(1) 経済によるリスク
経済リスクには世界的な経済リスクと、国単体で起きる経済リスクがあります。世界的な経済リスクとは、先進国や新興国などを含むすべての国に影響がある経済リスクです。例えば、2020年に起きた新型コロナウイルスによる影響を思い浮かべるとわかりやすいと思います。2020年の世界のGDPはマイナス4.3%の成長率と大きく落ち込みました。
2018年〜2022年(予測)の世界と地域ごとのGDP成長率は以下になります。
参考文献:世界銀行
新型コロナウイルスのような大きな出来事が起こると、上記のように経済成長率が止まることがあります。一方で、国単体で起きる経済リスクとは、不況などの様々な原因によって国の成長率が低下することです。例えば、政情不安により外国人投資家や外国の企業が撤退することで国内の経済状況が悪化し、経済成長率が低下することが挙げられます。
(2) 為替変動によるリスク
海外不動産投資は収益を外貨で受け取るため、為替変動によって損失を出す可能性があります。例えば、1,000ポンドの家賃収入があった場合、日本円に換金するときの為替レートが1ポンド150円の場合は15万円の収入ですが、1ポンド120円になってしまうと12万円にしかなりません。
一方で当然為替レートが上記と逆になる可能性もあります。仮に1ポンド180円になった場合、収入が18万円になるため、3万円の差益を得ることが可能です。このように為替レートにより、収益が増減することを為替リスクと言います。為替リスクを防ぐためには、為替レートを日頃からチェックして投資した国の通貨の推移を把握することが重要です。
(3) カントリーリスク
カントリーリスクとは、国の政治状況やデモ、紛争などによって発生するリスクのことです。例えば、2019年に起きた香港の民主化デモや中国の反日活動、イスラム国による自爆テロなどが挙げられます。上記のような事件が起きることにより、保有している不動産が破壊されることや不動産価格の下落、空き家が発生し不利益が被る可能性が高いです。
こうしたカントリーリスクは新興国に起こりやすいですが、先進国でも発生する可能性があります。そのため、どのような国に投資をしてもカントリーリスクが起こることを想定しておくことが重要です。カントリーリスクを少しでも軽減するために、投資した国の政治情勢や経済状況などを情報収集するようにしてください。
(4) 情報収集が難しいことによるリスク
海外不動産投資は現地に物件を直接見に行くことが困難です。そのため、物件の状態や物件があるエリアの状況などを第三者から聞いて判断するしかないケースもあります。先進国ならインターネットなどで情報を集めることが出来ますが、新興国ではそれも困難なうえに現地に住んでいる日本人などから話しを聞くことも容易ではありません。したがって、特に新興国で海外不動産投資を行う場合は、出来る限り現地に視察に行くか、信頼できるエージェントを見つけるようにしてください。
(5) 融資を受けるのが難しいことによるリスク
海外不動産で融資を受ける方法は海外の銀行で融資を受ける方法と、国内の銀行で融資を受ける方法がありますが、どちらも困難なのが現状です。例えば、国内の金融機関の多くは海外不動産投資に対する融資をしていません。また、融資を行ってくれる金融機関であっても、国内不動産投資よりも審査基準が厳しいです。
一方で海外の金融機関も融資を受けるためには言語の壁がありますし、外国人への融資をしていない国も少なくありません。上記のように融資に受けるためにはハードルが高く、融資を受けられない可能性も高いです。それでもどうしても融資を受けたい方は、以下の国内金融機関に相談してみてください。
・オリックス銀行
・SBJ銀行
・日本政策金融公庫
ただし、オリックス銀行の場合は国内不動産を担保する必要があり、SBJ銀行はハワイのホノルル市内の不動産に限定されているなどの条件があります。
(6) 物件管理が難しいことによるリスク
海外不動産投資は海外に所有物件があるため、自身で管理することが出来ません。そのため、入居の募集や修繕などを現地のエージェントを任せる必要があります。しかし、仮に物件の管理を任せたエージェントが入居募集や物件の修繕を怠っても、知ることが出来ません。また、国によっては時差があるため、入居状況を確認しようとしてもレスポンスが遅いことやレスポンスがないことも多々あります。このように自身で管理出来ないため、信頼出来るエージェントを見つけることが非常に重要です。信頼出来るエージェントを見つけることで、海外不動産投資で成功する可能性を高くすることが出来ます。
2. リスクの回避するためのポイント
海外不動産投資のリスクを回避するためのポイントは以下の4つです。
(1)投資した国や世界の情勢をチェックする
(2)為替レートをチェックする
(3)信頼できる海外不動産仲介会社を見つける
(4)他の投資資産と組み合わせるポートフォリオを組む
それぞれについて説明していきます。
(1) 投資した国や世界の情勢をチェックする
不動産を購入した国や世界の情勢を調べることが重要です。情勢を調べることで、カントリーリスクをいち早く察知出来ます。ただし、現地の情報は集めにくいため、エージェントなどからも確認するようにしてください。
(2) 為替レートをチェックする
海外不動産からの家賃収入はその国の通貨から得ることになります。そのため、為替レートを日頃からチェックすることが重要です。為替レートをチェックすることで為替レートの変動による収益の減少を防ぐことが出来ます。
(3) 信頼できる海外不動産仲介会社を見つける
海外不動産のリスクを回避するために最も重要なのが信頼できる海外不動産仲介会社を見つけることになります。信頼できる会社を見つけることで、現地の情報を集めることができるためです。また、不動産の管理や運用なども適切に行ってくれるため、入居者が集まりにくいといったリスクを防ぐことも可能です。
(4) 他の投資資産と組み合わせるポートフォリオを組む
前述したように海外不動産には、さまざまなリスクがあります。そのため、他の投資資産と組み合わせることがおすすめです。他の投資資産と組み合わせることで、リスクを軽減することが出来ます。例えば、カントリーリスクなどで海外不動産から家賃収入が得られなくなったとしても、国内の不動産を所有しておくことで国内の不動産から収入を得ることが可能です。
3. 海外不動産投資の失敗事例3選
海外不動産投資の失敗事例を3つ紹介します。
(1)物件の劣化に気づかなかったことで多額の修繕費が必要になった
海外に物件があるため、物件の劣化に気づかないことで多額の修繕費が必要なったという事例になります。自身で直接物件を確認できないうえに、管理会社などが物件の管理を怠ったり報告がなかったことが原因です。上記のようにいきなり修繕費が必要になる可能性があるため、資金的に余裕を持って運用するようにしてください。
(2)都市開発計画が頓挫したことで不動産価格が予想よりも上昇しなかった
発展途上国などで都市開発計画が頓挫したことによって、不動産需要が増加せず予想よりも不動産価格が上昇しなかったケースです。政権交代により政府が掲げる政策が変化して、都市計画が変更されたことで上記の事態になりました。こういった事態にならないために、投資した国の情勢などの情報を集めるようにしてください。
(3)デモや暴動によって不動産が破壊された
前述したカントリーリスクでも紹介したようにデモや暴動によって投資物件が壊された事例です。実際に2019年に台湾のデモでは、建物が破壊されています。このように、カントリーリスクが高い国の場合は、物件が破壊される可能性があるため、注意が必要です。
4. まとめ
海外不動産投資は日本の不動産投資にはないリスクが多くあります。また、発展途上国や先進国によってもリスクの違いがあるため、注意が必要です。こういったリスクを軽減するためにはリスクとその対処法を理解しておく必要があります。海外不動産投資を検討する際の参考にして頂けると幸いです。
Asset Oceanが根本的に解決を目指す課題は、海外不動産投資のハードルを下げ、市場を活性化させることです。