銀行口座カンボジア

金利差は歴然!定期預金は日本よりカンボジア?

金利差は歴然!定期預金は日本よりカンボジア?

日本の金利に満足していますか?
超低金利が続く日本では、銀行に預けていても資産はほとんど増えません。特に資産運用の第一歩として「定期預金」を検討している方にとって、日本の金利はもはや魅力的とは言えないでしょう。
一方、東南アジアの成長国・カンボジアの定期預金は、なんと日本の数十倍の利率を誇ります

この記事では、「日本 vs カンボジア」の定期預金を多角的に比較し、メリット・デメリット、口座開設の実態、注意点まで詳しく解説します。

目次

1. 定期預金とは?今さら聞けない基本

「資産運用」と聞くと、株や不動産、仮想通貨などリスクの高い投資商品を思い浮かべる方も多いかもしれません。

しかし、その第一歩として多くの人が選ぶのが、定期預金という選択肢です。リスクを抑えながら、確実に資産を守りたい人にとって、定期預金は今もなお堅実な選択肢であることに変わりはありません。

定期預金とは?

定期預金とは、一定の期間、金融機関にお金を預けておくことで、あらかじめ決められた利率に従って利息を受け取れる預金商品のことです。期間中は原則として自由に引き出すことができませんが、その代わりに普通預金よりも高い利息が得られます。

日本の銀行では、「1ヶ月・3ヶ月・半年・1年・5年」などの預入期間が設定されており、預け入れる期間が長いほど金利がやや高くなる傾向にあります。

普通預金との違い

項目普通預金定期預金
利率非常に低い(例:0.001〜0.02%)普通預金より高め
引き出し自由度いつでも引き出し可能満期まで引き出し制限あり
利息の確定性変動金利預入時に利率確定(固定)
リスク非常に低い同様に非常に低い

「リスクを取らずにお金を寝かせておける」という意味では、定期預金は資産形成の入り口として、また流動性を一部制限する代わりに安定した利息を得たいという人に向いています。

元本保証の安心感

日本の定期預金の最大の魅力は、「預金保険制度(ペイオフ)」によって、万が一銀行が破綻しても1,000万円まで元本と利息が保護されるという点です。
つまり、金融商品として最もリスクの低い部類に位置づけられています。

でも、本当に増えるのか?

とはいえ、2025年現在、日本国内の定期預金金利は年0.2%前後と非常に低く、100万円を1年間預けても利息はわずか2,000円程度です。しかし、この超低金利下では、「リスクは取りたくないが、もう少し増やしたい」というニーズを満たすのが難しくなってきています。

この課題意識こそが、海外銀行の定期預金に注目が集まっている背景でもあります。
特にカンボジアのように、成長著しい新興国では、3〜5%前後の高金利が一般的であり、資産の一部を外貨建てで分散する戦略として魅力的なのです。

2. 利回り比較:カンボジア vs 日本の定期預金

「お金を預けて利息を得る」──それが定期預金の基本的な仕組みです。
では、実際に日本とカンボジアではどれほど利回りに差があるのでしょうか?

この章では、両国の代表的な銀行の最新金利を比較しながら、その実態を明らかにしていきます。

年利の現実:カンボジアは日本の16倍以上?

以下の表をご覧ください(2025年8月時点の情報に基づく)。
金利比較表(年利/1年定期預金)

銀行名(国)通貨年利(1年)備考
三菱UFJ銀行(日本)JPY0.275%一般的な都市銀行
楽天銀行(日本)JPY0.275%ネット銀行
ACLEDA Bank(カンボジア)USD3.75%カンボジア最大手
Philip Bank(カンボジア)USD4.50%シンガポール系の外資銀行
ABA Bank(カンボジア)USD2.50%カナダの大手銀行のの子会社
※出典:各銀行公式サイト(2025年8月時点)
三菱UFJ銀行
楽天銀行
ACLEDA Bank
Philip Bank
ABA Bank

実際の差額はどれくらい?

具体的に比較してみましょう。
100万円(約6,600USD相当)を1年間預けた場合の利息差は次のとおりです。

預金先利息(1年後)
三菱UFJ銀行(0.275%)約2,750円
ABA Bank(3.75%)約37,500円(≒USD250)
Philip Bank(4.50%)約45,000円(≒USD300)
※為替は1USD = 150円で計算。税・手数料は考慮せず。

なんと1年で約16倍の利息差
もちろん為替リスクや国リスクはありますが、超低金利時代の日本において、カンボジアの定期預金がいかに高利回りかが一目瞭然です。

なぜこんなに違うのか?理由は「成長」と「競争」

カンボジアの定期預金金利が高い主な理由は以下のとおりです。

① 経済成長率が高い
IMFの予測によると、カンボジアのGDP成長率は年5〜6%台を継続中。人口も若く、消費・投資が活発なため、銀行は資金を集めて企業へ積極的に貸し出す必要があるのです。

② 米ドル建てが主流
カンボジアでは実質的に米ドル経済が定着しており、預金通貨もUSDが中心。日本円よりも安定的な通貨とみなされ、利回りの競争も激化しやすい構造です。

③ 預金保護制度の整備が未成熟
一方で、預金保護制度が十分に整っていないため、預金者のリスクがあります。その分「リスクプレミアム」として金利が高く設定されている面もあります。

米ドル建ての利点と注意点

【利点】

  • インフレに強い通貨で資産を保有できる
  • ドル建て資産を持つことで為替分散になる
  • 利回りが高いため、資産全体の収益性を押し上げやすい

【注意点】

  • 為替リスク(円高になった際に価値目減りの可能性)
  • 現地通貨(リエル)ではなくUSD預金のため、出金時に手数料がかかることも
  • 非居住者の場合、利息に対して利子源泉税14%がかかる

金利だけで判断していいの?

結論から言うと、金利だけで選ぶのは危険です。
利率が高い=リスクも高いという金融の基本原則を忘れてはいけません。定期預金とはいえ、銀行や国の信用リスクは存在します。

特に外国の銀行では、万が一の破綻に備えた「預金保護制度」が弱い場合もあります。
つまり、「資産の一部を高金利で運用する」という分散投資の一環としての活用がベストなのです。

利回り差は圧倒的、ただしバランスが鍵

日本とカンボジアの定期預金を比較すると、金利差は圧倒的です。手堅く資産を増やす手段として、カンボジアの定期預金は大きな魅力があります。
しかし、利回りの高さの裏にあるリスクを見逃さず、「安全性」「分散性」「流動性」などの観点から、自身の資産全体のバランスを見て判断することが重要です。

次章では、実際にカンボジアの銀行で定期預金口座を開設するにはどのような手順が必要なのかを、具体的にご紹介します。

3. なぜ高金利なのか?カンボジア経済の成長背景

「年利3〜4.5%の定期預金」と聞くと、多くの日本人は半信半疑になるかもしれません。しかし、それはカンボジア経済の実態を知れば決して不思議な話ではありません。

なぜカンボジアの銀行は高金利を実現できるのかを、経済の成長性、構造的な背景、そして金融政策の観点から解説します。

高金利を支える「成長国家」カンボジアの実力

カンボジアは近年、東南アジア有数の成長国家として注目されています。
IMF(国際通貨基金)のデータによると、カンボジアのGDP成長率は以下の通り、安定して高水準を維持しています。

年度GDP成長率
2022年+5.1%
2023年+5.0%
2024年+6.02%
出典:IMF World Economic Outlook, Cambodia

この成長率は日本(約1%前後)の約6倍。
国内消費の拡大、外国投資の増加、若年人口の多さが背景にあり、民間需要の増大が銀行の貸出需要にも直結しています。

銀行間競争と資金需要のミスマッチ

カンボジアでは、外国資本を含む銀行の新規参入が続き、銀行同士の資金獲得競争が激しくなっています。

  • 融資先が足りない→金利で差別化
    • 急成長する中小企業や不動産開発など、銀行の融資先は急増していますが、預金者数がまだ多くないため、高金利を提示して資金を集める必要があるのです。

  • 銀行数の急増
    • 2024年時点で商業銀行40行以上
    • モバイル銀行、外国系銀行の台頭
    • 「資金調達=利息競争」という図式が成立

実質的な米ドル経済と金融安定性

カンボジアでは、事実上米ドルが法定通貨のように流通しており、都市部では日常の買い物から預金、給与まで米ドルでやり取りされることが一般的です。

  • 通貨の安定性(リエルではなくUSD)
  • インフレヘッジとしての魅力
  • 外資系銀行が運営しやすい土壌

この「ドル化経済」のおかげで、通貨の信頼性と金利の高さを両立できているというユニークな特徴があります。

預金保護制度が未成熟 = リスクプレミアムの存在

日本では、1,000万円までの預金が預金保険制度で守られています。
しかし、カンボジアにはまだ統一された預金保護制度(Deposit Insurance System)が存在していません
そのため、万が一の銀行破綻時に預金が全額戻ってくる保証はなく、これは投資家にとってはリスクです。

ただし、これが逆に高金利の理由=リスクプレミアムとして機能しているのです。

補足:2025年現在、カンボジア国立銀行(NBC)は預金保護制度の導入を準備中

インフレ対策と通貨安定の両立政策

カンボジアは、米ドルを広く導入しているため、インフレ率は近隣諸国よりも比較的安定しています。

国名インフレ率(2023年推計)
カンボジア3.2%
ベトナム3.7%
ラオス16.9%
日本2.5%
出典:ADB Economic Outlook

インフレが比較的穏やかであれば、利息による実質リターン(インフレを差し引いた利益)も高くなります。
つまり、名目利回りが高く、実質利回りも確保しやすいということです。

高金利はリスクと成長の表裏一体

カンボジアの定期預金が高金利を実現しているのは、経済成長・銀行間競争・ドル化・預金保護制度の不在という複数の要因が絡み合っている結果です。

高金利の裏には一定のリスクも存在しますが、それは「投資対価としてのリスクプレミアム」とも言えるでしょう。
カンボジアは、東南アジアの中でもユニークかつ可能性に満ちた金融環境を持つ国として、ますます注目される存在となっています。

次章では、実際に口座を開設するための方法や、各銀行の特徴について詳しく解説していきます。

4. 口座開設:カンボジア銀行のリアル

「高金利なのは魅力的だけど、海外の銀行口座なんて簡単に作れるの?」
多くの人が最初に抱く疑問がここです。特に非居住者にとって、海外銀行の口座開設には手続きの複雑さや言語の壁が不安材料となりがちです。

ですが、結論から言えば──カンボジアの銀行口座は、日本人でも比較的スムーズに開設できます
ここでは、カンボジアにおける定期預金口座の開設事情を、リアルな体験に基づいて解説します。

非居住者でも口座開設は可能?

はい、可能です。多くのカンボジアの主要銀行では、外国人の非居住者に対しても口座開設サービスを提供しています。実際に観光ビザ(30日間滞在可能)で入国し、その滞在中に銀行口座を開設している日本人も増えています。

また、渡航をせずに日本に居ながら口座開設ができる銀行もあります。
ただし、銀行ごとに条件や手続きが異なるため、事前調査が重要です。

銀行別比較:どこが一番開設しやすい?

銀行名非居住者対応英語対応日本語対応必要書類の柔軟さ総合評価
ACLEDA Bank×★★★★☆
Philip Bank×★★★☆☆
ABA Bank★★★☆☆
※2025年8月時点の取材・利用者ヒアリングに基づく主観的評価

口座開設の必要書類(現地銀行窓口)

書類解説
パスポート(有効期限6ヶ月以上)全銀行共通
ビザ(観光ビザでもOKな場合あり)全銀行共通 ビザの種類は銀行によって異なる
現地の電話番号(プリペイドSIM)銀行からのSMS確認用。
※2025年8月時点の開設における必要書類になります。

オンライン開設はできるのか?

残念ながら、個人で日本からのオンライン開設は基本的にかなり難しいです。
日本からオンラインで開設をする場合は、一部の現地企業・信頼できる仲介業者を通して、サポート付きで口座開設を行うのが良いでしょう。

アンナアドバイザーズ株式会社では、渡航せずに日本から「ACLEDA Bank」「Philip Bank」「ABA Bank」の口座開設サポートを行っております。
お申し込みから開設までを日本人スタッフが丁寧にサポート致します。お客様自身が直接銀行の窓口とやり取りをしないので、英語が話さなくても大丈夫です。
詳しくはアンナアドバイザーズのカンボジア銀行口座開設サポートをご覧ください。

よくあるトラブルとその対策

トラブル例回避・対処方法
書類の不備各銀行に提出するレターの用意
英語が不安信頼できる現地企業にサポートを依頼する。
現地SIMがない空港でSIMカードを購入($5程度で入手可)

準備さえすれば、意外と簡単

カンボジアの銀行口座は、「現地に行く」「英文書類を用意する」という2つの壁さえ越えれば、想像以上にスムーズに開設できます。
しかも、銀行によっては外国人への対応が非常に親切で、英語でのやりとりも問題なく進むケースがほとんどです。

「初めての海外資産運用」として、定期預金を目的に銀行口座を作るというのは、思っている以上に手が届く選択肢です。

カンボジアの銀行口座開設はアンナアドバイザーズにお任せ!
『米ドルで新たな資産形成をはじめませんか?』
サポート開始から500名以上の投資家、主婦、会社員の方がご愛用している、カンボジア銀行口座開設サポートです。

口座開設は「渡航して現地カンボジアで」「渡航せずに日本から」のどちらも開設サポートをしております。銀行とのやり取りはすべて弊社が代行して行いますので、申し込みから開設まで日本語で完結。開設に必要な書類のご案内や申請書の作成はもちろん、開設後のアフターサポートも行っております

アンナアドバイザーズのカンボジア銀行口座開設サポート

5. メリット・デメリット徹底比較

カンボジアの定期預金は、「高金利」という一点において非常に魅力的です。
しかし、海外銀行口座という性質上、当然ながらリスクや制約も存在します。

ここでは、メリットとデメリットを正面から比較し、それぞれを具体的に理解することで、最終判断に役立つ情報を整理します。

メリット:資産運用の選択肢を広げる大きな利点

  • 圧倒的な金利水準(年利3〜4.5%)
    最大の魅力はやはりこれです。日本国内では年0.2%の金利が標準的であるのに対し、カンボジアでは最大4%以上という水準が一般的です。たとえば100万円を預けると、年間で最大4万円近い利息が得られる計算になります。

  • 米ドル建て資産の確保
    預金通貨が米ドル(USD)であることも大きなメリットです。日本円だけでは不安な時代に、通貨分散の意味でも効果的。インフレ耐性・為替分散という点でも注目されています。

  • 外貨預金よりも高利回り
    日本の銀行で提供されている外貨預金(米ドル建て)と比較しても、カンボジアの方が金利水準が高い傾向にあります。しかも、中間手数料などが少ない分、実質利回りでも優位です。

  • 比較的柔軟な開設環境(外国人対応)
    銀行によっては、非居住者でも開設しやすい体制が整っており、観光ビザや短期滞在でも口座開設が可能な例が増えています。日本語対応こそ少ないものの、英語が話せれば手続きもスムーズです。

デメリット:見落としがちなリスクと制約

  • カントリーリスク(政治・経済の不安定要素)
    カンボジアは成長国である一方、民主主義の成熟度や法制度の透明性においては日本よりも不安定です。突発的な政策変更、金融システムの変動リスクは常に念頭に置くべきです。

  • 預金保護制度の不備
    現在、カンボジアには日本の「ペイオフ制度」に相当する統一的な預金保険制度は未整備です。つまり、銀行が破綻した際には元本保証がされない可能性があります。

  • 為替リスクの存在
    米ドル建て資産は、円高が進行した場合に資産価値が目減りするリスクがあります。たとえば、1USD=150円で預金したものが、将来的に120円になれば、30円分の価値が下がります。

  • 手続き・管理の煩雑さ
    口座開設の手続きや提出する書類、オンライン管理に英語が求められます。サポート体制が日系ほど手厚くないため、金融リテラシーとある程度の自律性が求められます。

メリット・デメリット対比表

項目メリットデメリット
金利年利3〜4.5%で圧倒的に高いリスクプレミアムの裏返しでもある
通貨米ドル建てで通貨分散になる円高局面では為替損の可能性
安全性複数の外国資本銀行が進出預金保護制度が未整備
手続き比較的柔軟な銀行もある英語対応が必要
管理面モバイルアプリやインターネットバンキングが利用可能表記が基本的に英語

どんな人に向いている?

向いている人

  • 長期で資産を運用したい人
  • 米ドル資産を一部保有したい人
  • 定期預金の“眠らせ資金”に対し少しでも収益を得たい人
  • ある程度の自己管理ができる人(為替や海外制度への理解)

向いていない人

  • すぐに使う予定のあるお金を預けたい人
  • 為替変動に不安を感じる人
  • 英語に極端な抵抗がある人
  • 元本保証でなければ絶対に嫌という価値観の人

高金利には「納得できるリスク」がある

カンボジアの定期預金は、リスクとリターンのバランスが極めて明確な金融商品です。
日本の銀行に預けても資産がほとんど増えない今、一定の条件・覚悟を持てば、カンボジアは“使える海外口座”として現実的な選択肢になり得ます。

リスクをしっかり理解し、自身の資産全体の中で「預けても良い余剰資金」を活用することで、これまで見えてこなかった新しい資産運用の扉が開くかもしれません。

次章では、非居住者でも実践できるステップバイステップの始め方ガイドをご紹介します。

6. 非居住者でも始められるのか?

海外の銀行口座、しかも非居住者としての開設。ハードルが高そうに見えるこのテーマですが、カンボジアにおいては意外にも柔軟で現実的な選択肢となっています。

この章では、「外国に住んでいない人=非居住者」でも、どうすればカンボジアの銀行で定期預金を始められるのかを、具体的なポイントとともに解説します。

非居住者の定義とは?

まずは前提として、「非居住者」とは、カンボジアに永住していない、または長期滞在の在留資格を持たない外国人のことを指します。
たとえば以下のようなケースが該当します。

  • 日本に住みながら観光ビザでカンボジアを訪問した人
  • 日本在住の個人投資家
  • 海外に頻繁に行くが、カンボジアに住所はない人

つまり、多くの日本人投資家や会社員、主婦の方も「非居住者」扱いとなるわけです。

実際、非居住者でも口座は作れるのか?

答えは YES(銀行による) です。
カンボジアでは、多くの商業銀行が外国人顧客の取り込みに積極的であり、非居住者でも口座開設できる体制を整えているところが増えています。

【特に非居住者に優しい銀行の特徴】

  • 英語でのカスタマーサポートが整備されている
  • パスポート+入国ビザ・現地の電話番号(プリペイドSIM)で開設可能
  • 事前のメール問い合わせにスムーズに対応
  • オンラインバンキング環境が整備されている

たとえばACLEDA BankPhilip Bankは、非居住者対応に比較的柔軟で、実際に観光ビザで渡航した人が口座を開設し、定期預金を始めてられています

よくある誤解とその実態

誤解実態
「現地に住んでいないと作れないのでは?」非居住者も歓迎。渡航せず日本からも可能(銀行による)
「カンボジア語が話せないと無理?」英語が通じる銀行多数。
「短期滞在者は対象外なのでは?」観光ビザでも開設できます。(銀行による)

非居住者向け口座の注意点

リスク or 注意点解説
利息への源泉課税非居住者の利子源泉税は14%
長期未使用口座の凍結一定期間入出金がないと「Dormant Account」として凍結
管理の手間オンラインバンキングの設定が英語。スマホやパソコンでの操作に慣れておくと安心。

非居住者でも定期預金を始められる国は限られている

実は、非居住者に対して口座開設を認めていない国も多く、日本やアメリカ、シンガポールでは非居住者に厳しい銀行も多数存在します。
その点、カンボジアは比較的門戸が開かれており、柔軟に対応してくれる数少ない国の一つと言えます。

特に以下のような方にとっては貴重な選択肢となるでしょう。

  • 日本での低金利に不満がある人
  • 米ドル資産を持ちたい人
  • 海外移住前に外貨運用を始めたい人
  • 分散投資として“現物資産”以外も保有したい人

非居住者にとっての「現実的な選択肢」

「海外口座なんて、自分には無理」と思っていた人も多いかもしれません。
しかし、カンボジアの一部銀行では、非居住者に対しても門戸を開いており、現地での短期滞在、渡航せずに日本からでも口座開設が可能です。

もちろん書類や最低限の英語対応など、準備が必要ではありますが、想像するほどのハードルではありません。
“一歩踏み出す”勇気と下調べがあれば、誰にでも可能性のある資産形成手段と言えるでしょう。

7. 日本との比較:どちらに預けるべきか?

ここまで、カンボジアの定期預金の高金利や、非居住者でも始めやすい仕組みについて見てきました。しかし、いくら金利が高いといっても、すべての人にとってカンボジアの銀行がベストとは限りません。

この章では、日本とカンボジアの銀行における「定期預金」の特性を、多角的に比較し、それぞれの選択肢が“どんな人に合うのか”を整理します。

総合比較表:カンボジア vs 日本の定期預金

比較項目日本の銀行カンボジアの銀行
金利水準0.275 %~1.2%(年)3.0%〜4.5%(年)(USD建て)
通貨日本円(JPY)米ドル(USD)が主流
口座開設非常に簡単(国内住所で可)渡航費用やサポート費用が必要
預金保護制度あり(最大1,000万円まで保証)なし(制度は未整備)
為替リスクなし(日本円預金)あり(USD資産として為替変動を受ける)
解約の柔軟性比較的自由(中途解約OK)制約がある(満期前解約で利息失効など)
税制面利息に20.315%の課税現地で14%源泉課税
管理ネットバンキング対応英語のネットバンキング対応

利回りだけでは測れない「信頼性」という視点

日本の銀行の強みは「安心・安定」

  • 日本の金融機関は世界でもトップクラスの安定性を持っています。
  • 万が一の際も預金保険制度によって元本1,000万円+利息まで保護される点は、資産保全の観点で大きな安心材料です。
  • 口座開設、資金移動、税務処理も全て日本語で完結し、管理のしやすさも抜群。

カンボジアの銀行の強みは「攻めの収益性」

  • 何といっても年利3〜4.5%という高利回り
  • 円安・インフレに備えて、米ドル資産を持ちたい人には理想的な受け皿。
  • 成長国の通貨経済圏に一部資産を投じることで、資産全体の「収益性」と「通貨分散」の両方を実現可能。

目的別に考える「あなたに向いているのはどっち?」

日本の銀行が向いている人

  • 元本保証と安全性を最重視したい
  • 定期預金が資産の大半を占めている
  • 英語に不安がある
  • 海外送金・為替などに手間をかけたくない
  • 将来使う予定の資金を「とりあえず保管」したい

カンボジアの銀行が向いている人

  • 日本の金利では満足できない
  • 「眠っている資金」を積極的に運用したい
  • 米ドル建てで資産の一部を持ちたい
  • 為替リスクを取ってでも利回りを重視したい
  • 海外に出る予定・可能性がある(移住・法人設立など)

両者を使い分ける“ハイブリッド戦略”という選択肢

資産運用は「分散」が鉄則。必ずしもどちらか一方に全額預ける必要はありません

たとえば、

  • 生活防衛資金(3〜6ヶ月分) → 日本の銀行
  • 余剰資金・5年以上動かす予定のない資金 → カンボジアで定期預金というように、「使う目的」「使う時期」で預け先を使い分けるのが理想です。

カンボジアで得られる高金利によって、資産全体の利回りが底上げされる一方、日本の銀行では即時引き出し可能な安心資金を保持する
これこそが、現代における実用的なリスクヘッジと運用の両立なのです。

預ける場所は“目的”で選ぶ時代へ

「金利が高いから」「安心だから」──それだけで預け先を選ぶ時代は終わりつつあります。

今求められるのは、

  • 自分の資産の役割を明確にすること
  • 資産全体のバランスで運用先を組み立てることです。

日本の銀行とカンボジアの銀行、それぞれの強みと役割を見極めて、“目的に応じた預け先”を選ぶ
それが、これからの時代にふさわしい資産運用の考え方です。

8. どんな人におすすめか?

ここまで、カンボジアの定期預金の特徴や仕組み、日本との比較などを詳しく見てきました。
しかし、「自分には関係あるのかな?」「本当に始めるべきだろうか?」と感じている方も多いかもしれません。

そこでこの章では、どんな人にとってこの選択肢が現実的か、そしておすすめできるかを、「ライフスタイル」「資産状況」「価値観」に合わせて具体的に紹介します。

ケース別:カンボジア定期預金が“向いている人”

  • 預金の一部でも利回りを上げたい人
    銀行にお金を眠らせているだけで物価は上がり続ける時代。高金利の定期預金で「資産が目減りしない環境」を作りたいという方には非常に有効です。特に、余剰資金や使う予定のないお金が100万円以上ある方におすすめです。

  • 初めての外貨資産を持ってみたい人
    いきなりFXや米国株に挑戦するのは怖い…という方にとって、元本運用型のUSD預金は外貨資産デビューにちょうどよいステップです。

  • 資産の一部を“分散”させたい人
    不測の事態に備え、資産を複数の国・通貨で分けて持つ「分散戦略」は、今や常識。日本国内だけに資産が偏っている方にとって、東南アジアの成長国+米ドル建てという二重の分散効果が期待できます。

  • 海外移住・法人設立を検討している人
    東南アジアでの法人設立や、将来的なプチ移住・デュアルライフを視野に入れている方にとって、カンボジア口座は後々の決済インフラとして活用価値が高いです。

  • 税制・制度を理解しつつリスクをとれる人
    高金利には理由がある──それを理解し、自ら調べる姿勢がある方にはカンボジア定期預金は非常に相性が良い商品です。「リスク=コントロール可能な変数」として受け入れられる人におすすめです。

逆に、あまり向いていない人は?

  • 短期でお金が必要になる予定がある人
    カンボジアの定期預金は中途解約に制限がある場合が多いため、資金を頻繁に動かす人には不向きです。

  • 外貨・為替の変動が不安すぎる人
    為替相場は一定のリスクを伴います。「損するのは絶対に嫌」「為替ってそもそも怖い」という考えが強い人は、日本円のままでの運用を検討した方が精神的には安心です。

  • すべてを日本語で完結したい人
    カンボジアの銀行は基本的に英語でのコミュニケーションが求められます。最低限の英語理解があると安心ですが、どうしても難しい方にはハードルになる可能性があります。

活用できる人には、強力な武器になる

カンボジアの定期預金は、誰にでも“万能”な金融商品ではありません。
しかし、自分にとっての目的・資産背景・リスク許容度をしっかり把握している人にとっては、国内では得られないリターンと通貨分散をもたらす、戦略的な金融武器になります。

次章では、いよいよ実践編──実際にカンボジアの銀行で口座を開設し、定期預金を始めるまでのステップバイステップのガイドをご紹介します。

9. 実践ステップ:始め方ガイド(現地銀行窓口)

カンボジアの定期預金に興味を持ったら、次に知りたいのは「どうすれば実際に始められるのか?」という点でしょう。

この章では、口座開設から預金スタートまでのステップを、必要な準備・注意点を含めてわかりやすくガイドします。
カンボジアの定期預金は、以下の4ステップで始めることができます。それぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。

ステップ1:銀行を選ぶ

まずは、自分に合った銀行を選ぶことからスタートです。

ACLEDA BankPhilip BankABA Bank
定期預金金利最大3.99%最大4.5%最大2.25%
デビットカードありなし(バーチャルカードのみ)あり
ネットバンキングありなしなし
モバイルアプリ現地開設のみありありあり
日本語対応なしなしあり
※2025年8月時点 銀行公式サイトより

初めての方には運営がしやすく、使いやすいACLEDA Bankがおすすめです。

ステップ2:必要書類を準備する

以下の書類は、現地窓口で開設をする際に必要になります。
事前に日本で準備しておきましょう。

書類内容
パスポート有効期限6ヶ月以上
入国ビザビザの種類は銀行によって異なる
滞在証明ホテルレターやAirbnbの領収書でも可
※2025年8月時点の開設における必要書類になります。

提出書類は銀行にごとに異なるため、事前に銀行へ確認をしましょう。

ステップ3:現地銀行窓口で口座開設

手続きの流れ(例:Philip Bankの場合)

  1. 書類提出・本人確認
  2. 英語で簡単な質問に答える(滞在目的、資金の出所など)
  3. サイン → その場で口座番号発行
  4. オンラインバンキング設定(スマホアプリのDL推奨)

所要時間は30分〜1時間程度です。同行者がいればさらに安心です。

ステップ4:入金・定期預金申込

口座ができたら、次は資金の入金です。入金方法は2つあります。

  • 現地で現金入金(USD持参)
    カンボジアでは米ドルが広く流通しているため、現金の持ち込みも可能。ただし高額は推奨されません。

  • 国際送金
    Wise(旧TransferWise)、Revolut、SBI Remitなどで送金可能。手数料やレートを比較して選びましょう。

一歩踏み出せば、あとはスムーズ

「海外銀行=ハードルが高い」というイメージを持つ方は多いかもしれませんが、事前準備と現地対応の2ステップに分けて考えることで、驚くほどスムーズに進めることができます

  • 銀行選び
  • 書類の用意
  • 現地訪問の段取り

これらをしっかり抑えておけば、カンボジアの高金利定期預金という選択肢は、あなたの資産に新しい可能性をもたらしてくれるはずです
不安がある方は、信頼できる仲介業者を通して、サポート付きで口座開設を行うのが良いでしょう。

10. まとめ:金利だけでなく“目的”で選ぶ時代へ

日本の超低金利時代において、資産を銀行に預けているだけではほとんど増えないという現実がますます顕著になっています。
その中で、年利3〜4.5%という高水準の利回りを提供するカンボジアの定期預金は、多くの投資家や資産形成層にとって注目の選択肢です。特に米ドル建てで運用できることは、通貨分散やインフレ対策の観点からも優れており、「眠っているお金」に新たな価値を与えてくれます

しかし、預金保護制度の未整備や為替リスクなど、日本国内の預金にはない注意点も存在します。
こうしたリスクを理解し、使う予定のない余剰資金の一部を預けることで、資産全体のバランスを取りながら安定的に運用することが可能です。

重要なのは、「すべてを預ける」のではなく、「目的と性質に応じて使い分ける」という姿勢です。
日本の銀行で安全性を確保しつつ、カンボジアでリターンを狙う──それが、これからの資産形成にふさわしい現実的な戦略です。
カンボジア定期預金は、単なる“海外預金”ではなく、情報と準備が整った人にとっては、資産の働き方を変える新しい選択肢となるはずです

参考
ACLEDA Bank(アクレダ銀行)公式サイト
Phillip Bank(フィリップ銀行)公式サイト
ABA Bank(Advanced Bank of Asia)公式サイト
IMF Cambodia Economic Outlook
カンボジアの預金保険に関する議論(英語)

記事一覧に戻る

Asset Ocean株式会社
海外不動産をもっと身近に感じてもらうための、海外不動産投資・賃貸情報のプラットフォームです。
Asset Oceanが根本的に解決を目指す課題は、海外不動産投資のハードルを下げ、市場を活性化させることです。

関連記事

フィリピン不動産の価格相場は?エリア別・物件別に徹底解説!
フィリピン不動産の価格相場は?エリア別・物件別に徹底解説!
「次の成長国に投資したい」「将来性ある市場で不動産を所有したい」そう考える富裕層や投資家たちの間で、今注目を集めているのがフィリピン不動産です。首都マニラを中心...
今こそ注目!富裕層が選ぶドバイ不動産投資の魅力とは?
今こそ注目!富裕層が選ぶドバイ不動産投資の魅力とは?
日本国内で資産を築き上げてきた多くの経営者や医師、投資家たちが、いま静かに目を向けている市場があります。それが「ドバイ不動産」です。 もはや「中東の新興都市」と...
富裕層が注目する「タイ不動産」投資の全貌
富裕層が注目する「タイ不動産」投資の全貌
海外不動産投資の中でも、特に注目を集めているのが「タイ不動産」です。日本からのアクセスも良く、経済成長も続くタイは、会社経営者や医師、富裕層の投資先として人気が...