カンボジアで銀行口座を開設するメリット・デメリットを解説
実はカンボジアでは銀行口座を開設することができ、金利の高さやドル建てで預金できる点において注目を集めています。
そこで今回は、カンボジアで外国人が銀行口座を開設するメリット・デメリットや実際の開設方法、おすすめの銀行について解説します。
カンボジアで銀行口座開設を検討されている方、銀行預金で資産運用を検討されている方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
1. カンボジアは外国人でも口座開設できる?
カンボジアで銀行口座を開設するメリット・デメリットをご紹介する前に、カンボジアでは外国人でも銀行口座を開設できるのかについて解説します。
結論から言うと、外国人でもカンボジアで銀行口座を開設できます。
ほとんどの国の場合、その国に住む人にしか銀行口座は作れませんが、カンボジアの場合、日本人であれば観光ビザであったとしても問題なく口座を開設できます。東南アジア諸国の中で唯一できる国でもあります。
口座開設をする際はカンボジアへ渡航して現地で手続きをする方法か、郵送で手続きをする方法があるので、ご自身の都合に合わせてお選びください。
ただし、初心者にとってはいきなりご自身で銀行に問合せすることにハードルが高いとも言えますので、代理で申請できる会社に問合せするといいでしょう。
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2. カンボジアで銀行口座を開設するメリット
次にカンボジアで銀行口座を開設するメリットを解説します。
(1) ドル建てで預金ができる
カンボジアには法定通貨としてリエルがありますが、実質カンボジア国内で流通している通貨は米ドルです。
そのため米ドル建てでの預金が可能で、運用で出た含み益をそのまま米ドルで持てるメリットがあります。
カンボジア周辺の東南アジア諸国では自国通貨建ての預金が一般的なので、国際基軸通貨である米ドルで預金できるメリットは大きいと言えるでしょう。
(2) 金利が高い
カンボジアで銀行口座を開設して預金するもうひとつのメリットは、金利の高さです。
たとえばカンボジア最大手のアクレダ銀行の5年定期の金利は年6.5%と非常に高く、11年間複利運用することによって元金が約2倍にもなります。
日本国内の銀行の金利は年0.001%なので、比較するとカンボジアの銀行金利の高さがうかがえます。
そのため、非居住者でも銀行口座を開設できることから、分散投資先のひとつとしてカンボジアの銀行で口座を開設する人が増えてきています。
3. カンボジアで銀行口座を開設するデメリット
一方、カンボジアで銀行口座を開設するデメリットもあります。
下記にてその3つのデメリットを解説します。
(1) 保証制度がない
カンボジアの銀行では、日本のペイオフ制度のように、万が一銀行が破綻した場合の保護制度がありません。
日本のペイオフ制度では、銀行が破綻した際に預金者日本円の普通預金口座の資金を1,000万円まで保証しています。
しかし、日本の銀行に置いてある外貨預金もペイオフ制度の対象外です。したがって、外貨であればどこの口座に置いておいても保証の対象外になります。
そこで、カンボジアの銀行が破綻するリスクが気になるかもしれませんが、以下の図1でみるように、カンボジアは経済成長率が高く、コロナの影響で一時的に経済成長率が下がったものの、回復傾向にあり今後も上昇する予測がされています。
そのため、現状カンボジアの銀行が破綻するリスクは低いと言えるでしょう。
図1:カンボジアの経済成長率推移
(出展元URL:https://www.imf.org/en/Countries/KHM)
(2) 為替リスクがある
カンボジアの銀行で銀行口座を開設して預金する際のもうひとつのリスクは為替です。
世界の基軸通貨である米ドルといえども、常に為替変動があります。
カンボジアの銀行口座で米ドルでの資産が増えても、日本円に両替する際に為替変動の影響を受けて資産の目減りがみられる場合があります。
米ドル建てで預金をするなら当然のことですが、為替は日々変動しているので、円安のタイミングを見計らって米ドルから日本円への両替を行いましょう。
(3) 口座凍結
カンボジアの多くの銀行では、銀行口座を開設してから1年間入出金がないと口座が凍結されます。
口座凍結のよくあるパターンのひとつに、投資目的でカンボジアの銀行口座を開設し、まとまった資金を預金してから1年間放置してしまうことがあります。
口座開設の際には、1年間取引がないと凍結される点を念頭に置いておきましょう。
4. カンボジアで銀行口座を開設する方法
次にカンボジアで銀行口座を開設する手順や、必要な書類について解説していきます。
(1) 手続きに必要な書類を用意
銀行によって手続きに必要な書類が異なるので、口座開設予定の銀行に事前に問い合わせましょう。
カンボジア非居住者でも口座開設がしやすいプノンペン商業銀行を例にとると、口座開設をする際に必要な書類は以下の3つです。
・ 勤務先が確認できる書類
・ 90日以上有効期限が残っているパスポート
・ 普通預金は5米ドル以上、定期預金は500米ドル以上の預金額
(2) 原則現地で手続き
カンボジアの銀行で口座開設をするにあたり、カンボジアの多くの銀行では現地で手続きを行う必要があります。
どの銀行も原則的に、郵送やネットなどを通じての口座開設は受け付けていないため、口座開設に必要な書類を揃えてカンボジアを訪問しましょう。
英語でのやり取りに不安がある場合は、日本語対応のジャパンデスクが駐在している銀行を選んでください。
カンボジア現地への訪問が難しい場合は、書類を郵送するだけで口座開設ができるアクレダ銀行がおすすめです。
アクレダ銀行については後ほど5-(1)でご紹介します。
5. カンボジアで銀行口座を開設するのにおすすめの3銀行
最後に、カンボジアで銀行口座を開設するのにおすすめの3行をご紹介します。
(1) アクレダ銀行
アクレダ銀行は唯一のカンボジア証券市場上場銀行で、カンボジア最大手の銀行です。三井住友FGが株主に加わっている点で安心感もあります。
アクレダ銀行では、口座開設を郵送で完了させることができます。
インターネットバンキングやデビットカードなどのサービスも整備されているので、日本に住んでいながら高い金利での定期預金運用が可能になります。
個人でアクレダ銀行に直接コンタクトをとって口座を開設することも可能ですが、不安な方は口座開設サポートをしている会社を選んで依頼しましょう。
(2) プノンペン商業銀行
プノンペン商業銀行はカンボジア非居住者でも比較的口座開設が容易な点と、日本人が常駐するジャパンデスクがある点で日本人が開設しやすい銀行だと言えます。
何かトラブルが起こった際に日本語対応してもらえるという安心感があるので、英語でのやり取りが不安な方にはおすすめの銀行です。
(3) カナディア銀行
カナディア銀行は、5-(1)で述べたアクレダ銀行に並ぶ大手のカンボジア資本の銀行です。
カンボジア現地に住む富裕層に人気があり、顧客数ではアクレダ銀行には及びませんが、預金資産額では肩を並べる規模です。
カナディア銀行は上場はしていませんが、資産規模の点で安心感のある銀行だと言えます。
6. まとめ
今回は、カンボジアで銀行口座を開設するメリット・デメリットや実際の開設方法、おすすめの銀行について解説しました。
為替リスクや保証制度がないというデメリットを考慮しても、金利の高さや米ドル建てでの預金が可能な点で、カンボジアで銀行口座を開設するメリットは大きいと言えます。
ぜひ分散投資先のひとつとして、カンボジアで銀行口座を開設することを検討してみるのはいかがでしょうか。
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【参照サイト】
・2021年11月第4条理事会協議によるカンボジアに関するレポート(IMF公式サイト)
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