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富裕層が注目する「タイ不動産」投資の全貌

富裕層が注目する「タイ不動産」投資の全貌

海外不動産投資の中でも、特に注目を集めているのが「タイ不動産」です。日本からのアクセスも良く、経済成長も続くタイは、会社経営者や医師、富裕層の投資先として人気が高まっています。
しかし、「本当に利益が出るのか?」「リスクは?」「初期費用はいくら?」といった不安も多く聞かれます

本記事では、キャピタルゲイン・インカムゲイン、メリット・デメリット、必要な初期費用などをグラフや統計を交えて、わかりやすく解説します。

目次

1. なぜ今、タイ不動産なのか

東南アジア諸国の中でも、タイは経済・観光・インフラの三拍子が揃った注目のマーケットです。
ASEAN諸国における地政学的な安定性に加え、国を挙げたインフラ整備、観光産業の回復と発展。そして、不動産規制の柔軟化により、世界中の投資家がタイに目を向けています。

さらに、日本からのアクセスの良さ、外資の受け入れ姿勢、コストパフォーマンスの高さといった要素が相まって、タイ不動産は今まさに「買い時」と言えるタイミングにあります。

① 経済成長と都市化の加速

タイ経済は長期にわたって安定成長を遂げており、バンコクを中心とする都市部の人口集中とともに、不動産市場の活性化が続いています。
特にBTS(スカイトレイン)やMRT(地下鉄)の延伸計画など、公共交通機関の整備は郊外エリアにも開発の波を広げており、将来的な価格上昇が見込まれます。

また、タイ政府が推進する「タイランド4.0」政策により、イノベーションやハイテク産業が促進され、都市部の再開発や新興エリアへの注目も高まっています
出典:World Bank – Thailand Overview

② 外国人にも門戸が開かれている市場

東南アジアの中でも、外国人が合法的に不動産を保有できる国は限られています。
その中でタイは、コンドミニアムに限り外国人の所有が可能であり、登記上の所有権も明確に保証される法整備がなされています。外国人投資家にとって安心できる制度的環境が整っている点は、大きな魅力の一つです。

また、売買時の送金や登記手続きも比較的スムーズで、煩雑さが少ないことから、初めて海外不動産に投資する方にも適した環境と言えるでしょう。

③ 日本との距離と利便性

日本からタイへの直行便は東京・大阪・名古屋・福岡など複数の主要都市から運航されており、バンコクへはおよそ6時間で到着します。時差もわずか2時間程度で、短期の現地訪問や視察、購入後のメンテナンス訪問も負担なく行える利点があります。

さらに、日本人居住者や日系企業も多く、日本語対応が可能な管理会社・弁護士・仲介業者が多数存在することも、海外投資における安心材料の一つです。

2. タイ不動産投資の「2つの利益」

タイ不動産への投資が魅力的とされる最大の理由は、「キャピタルゲイン(資産価値の上昇)」と「インカムゲイン(賃貸収入)」という2つの明確な利益が期待できる点にあります。
この2つの利益は、不動産投資の基本戦略である「値上がり益」と「継続的収益」の両方をカバーし、短期・中長期どちらの視点でも資産形成に貢献します。

① キャピタルゲイン(資産価値の上昇)

キャピタルゲインとは、不動産の購入価格よりも高く売却することで得られる差益のことです。タイでは都市部を中心にインフラ整備が急速に進み、コンドミニアムをはじめとする住宅価格が年々上昇しています。
たとえば、首都バンコクでは新たなBTS(スカイトレイン)路線や大型商業施設の開発が次々に進み、不動産価値を底上げしています。

以下の表は、過去9年間にわたるバンコクのコンドミニアム平均価格の推移です。

バンコクの平均コンドミニアム価格推移(2015年~2024年)

平均価格(バーツ/m²)
201585,000
201792,000
2019105,000
2021110,000
2024115,000
出典:Thailand Property Market Report 2024

約35%の価格上昇が確認されており、特に再開発エリアや鉄道延伸地域では購入後数年で20〜30%の上昇益が得られる事例も報告されています。
また、バンコク以外でも、パタヤやチェンマイといった観光都市、経済特区(EEC: Eastern Economic Corridor)へのインフラ投資により、不動産価値の上昇が続いています。

② インカムゲイン(賃貸収入)

一方、保有中の不動産から得られる賃貸収入、すなわちインカムゲインも、タイ不動産の大きな魅力の一つです。
特にバンコクなどの都市部では、外国人駐在員・長期滞在者・観光客向けに安定した需要があり、空室率も比較的低く保たれています

年間利回りは平均5〜7%とされ、日本国内の賃貸物件(平均2〜4%)と比較しても高い水準です。

■主要都市別 賃貸利回りの目安(2024年)

都市平均利回り
バンコク5.5%
チェンマイ6.2%
パタヤ6.8%
出典:FazWaz Rental Yield 2024

また、Airbnbなどを活用した短期賃貸による収益モデルも注目されています。短期滞在者向けの物件では、通常賃貸の2倍以上の利回りを実現できることもあります。
ただし、地域ごとに短期賃貸の規制があるため、法令遵守が必須です。

さらに、以下のような要素もインカムゲインを後押ししています

  • 外資系企業の進出による駐在員需要の増加
  • 長期滞在ビザ(LTV)の発行拡大による高齢者層の移住
  • インターナショナルスクールの充実による外国人家族の定住化

これらを踏まえると、タイ不動産は「持っているだけ」で安定したリターンを得られる投資対象として、非常に有効な手段と言えるでしょう。

③ バランスの取れた収益構造

キャピタルゲインとインカムゲインをバランスよく得られるタイ不動産は、ただの「海外資産」ではなく、成長性と安定性を兼ね備えた“現実的な資産運用手段”です。
それぞれの利益をどう最大化するかは、物件選定、購入タイミング、管理手法にかかっています。
次章では、この「投資メリット」の具体的な中身を掘り下げていきます。

3. 投資のメリット

タイ不動産への投資は、単なる「海外不動産」という枠を超えて、資産の分散・保全・成長を同時に実現できる戦略的手段です。
この章では、タイ不動産が持つ主なメリットを5つの視点から解説します。

①【資産の通貨分散】円安リスクからの退避

日本国内の不動産は基本的に「円資産」としてカウントされるため、円安が進行すれば実質的な資産価値が目減りするリスクがあります。
一方、タイの不動産はバーツ建て。したがって、円安時には為替差益が得られる可能性もあります。

■円安進行による資産評価の変化(シンプルシミュレーション)

為替レート(円/バーツ)不動産価格(バーツ)円換算評価額
1バーツ=3.5円3,000,000バーツ1,050万円
1バーツ=4.2円3,000,000バーツ1,260万円
※ 為替が1バーツあたり0.7円上昇するだけで約200万円の評価増

②【高利回り】日本以上のインカムゲイン

前章でも触れたとおり、タイの主要都市における平均賃貸利回りは5〜7%と高水準です。
日本の都市部(東京・大阪)の賃貸利回りが2〜4%であることを踏まえると、2倍近いインカムゲインが得られる可能性があります。

■日タイ賃貸利回り比較(2024年平均)

地域平均利回り
東京23区3.2%
大阪市内3.8%
バンコク5.5%
パタヤ6.8%
チェンマイ6.2%
出典:FazWaz Rental Yield 2024

また、タイでは管理会社の数も多く、日本語対応可能な日系企業が多いため、実際の管理・運営の手間が少ない点も高く評価されています。

③【将来的な価格上昇】都市開発とインフラ投資

タイ政府は「タイランド4.0」政策の下でインフラへの大規模投資を続けており、以下のようなプロジェクトが進行中です。

  • 東部経済回廊(EEC)における高速鉄道・港湾開発
  • バンコク都市圏のBTS・MRT路線の延伸
  • 新空港・国際展示場の開発

これらのインフラ整備により、新たな再開発エリアが誕生し、将来的な価格上昇が見込まれます。


■インフラ投資と価格上昇の相関

インフラ整備 → 人口流入 → 商業施設進出 → 不動産需要増 → 価格上昇

④【相続対策・資産保全】海外資産としての利点

日本国内の不動産に比べて、海外不動産は相続税評価額が相対的に低くなる傾向にあります。
これは、現地評価方式・為替影響・流動性の違いなどが背景にあるためです。

さらに、タイの不動産は「法人保有」も可能であるため、将来的に資産管理会社を活用した税務最適化・相続分割の柔軟性を高める戦略も取れます
※税務に関する詳細は必ず税理士または国際税務専門家にご相談ください。

■相続・保全を検討する際の確認ポイント

  • 海外不動産の評価額は国内と異なる基準になるか?
  • 法人所有と個人所有のどちらが適しているか?
  • 相続時の通貨変動による影響を把握しているか?
  • 現地での遺言書作成や登記制度の知識があるか?

⑤ 暮らしやすさ・移住先としての魅力

タイは単なる投資先にとどまらず、「生活拠点」「セカンドハウス」としての魅力も兼ね備えています。医療レベルは東南アジアでもトップクラスで、バンコク・パタヤには国際水準の病院が複数存在します
また、長期滞在ビザ(LTV)やリタイアメントビザを活用すれば、年間を通じて温暖な気候の中でゆったりとした生活を実現できます。生活費も日本の約1/2〜1/3とリーズナブルです。

⑥ 資産成長と人生設計を両立できる投資

タイ不動産は「高収益」「資産分散」「相続対策」「生活の質の向上」という複数のメリットを同時に満たす、極めて戦略性の高い投資対象です。
特に、富裕層や経営者にとっては、金融資産とは異なる“実物資産”としての安定感と運用妙味がある点は大きな魅力でしょう。

次章では、これらのメリットの裏に潜むリスクと、それらを回避するための「デメリット・注意点」について詳しく解説します。

4. 投資のデメリットとリスク

タイ不動産は高い収益性と成長性を兼ね備えた投資対象である一方で、「海外不動産」であるがゆえの特有のリスクや制約も存在します。
ここでは、投資判断を行ううえで必ず押さえておきたい主要なデメリットと、その対策を整理します。

① 外国人所有に関する制限

タイでは外国人による不動産取得が法的に認められているものの、所有できるのはコンドミニアムに限られており、土地の直接所有は基本的に禁止されています。

■タイ不動産の所有形態と制限比較(外国人向け)

コンドミニアム一戸建て(戸建)土地(空き地)
外国人所有可否可能(建物)不可不可
所有方法区分所有タイ法人経由などリース契約等
登記可能か登記可能原則不可原則不可

対策:コンドミニアムを中心に投資対象を絞り、法令に準拠した契約形態を採用すること。

② 管理・運用の煩雑さ

日本とは文化や商習慣が異なるタイでは、購入後の物件管理・賃貸運用が煩雑になるリスクがあります。
特に次のようなトラブルが発生しやすい点に注意が必要です。

  • 管理会社の対応品質にばらつきがある
  • 修繕・清掃のクオリティに不満が出る場合もある
  • 空室時のリーシングに時間がかかるケースも

対策:信頼できる日系または現地実績豊富な管理会社を選定し、契約前に必ず実績とレビューを確認する。

③ 為替変動リスク

バーツ建てで購入する以上、為替レートの変動が資産評価や収益に大きく影響します
特に以下の2つの局面に注意が必要です。

  • 【購入時】 円高 → 購入コストが有利に
  • 【売却・家賃受取時】 円安 → 円換算の利益増。ただしバーツ下落時は逆効果

■為替変動による収益影響シミュレーション

年度為替(円/バーツ)年間家賃(バーツ)円換算収入
20223.7180,000666,000円
20234.0180,000720,000円
20243.5180,000630,000円

対策:購入・売却タイミングを慎重に選び、為替予約や外貨口座の活用も検討する。

④ 政情・制度変更のリスク

タイは比較的安定した国ですが、過去には政権交代やデモ活動もありました
また、不動産関連の法制度も将来的に変更される可能性があります。

  • 賃貸制限、税制改正、外国人規制強化などは不確実性要素
  • 観光産業や景気に依存する側面も強い

対策:中長期の視点で分散投資を行い、単一市場依存を避ける。現地パートナーからの情報収集を継続する。

⑤ 売却時の流動性リスク

国内不動産に比べると、タイでは物件の流動性(=すぐに売れるかどうか)が低い場合があります
特に、以下の要因が影響します。

  • 立地(人気エリアかどうか)
  • 購入価格と市況のギャップ
  • 買主の資金調達の難易度(タイではローンが通りにくい)

■売却時に確認すべきポイント

  • 近隣の過去3年の売買価格・成約件数
  • エリアの人口推移や再開発の有無
  • 管理費・修繕積立金の水準と透明性
  • 管理組合の評判や維持状況

対策:購入前から「出口戦略」を想定し、将来的に需要が高まる立地や物件を選定する。

⑥ リスクは「見える化」と「対策」で資産に変わる

タイ不動産のリスクは、決して未知のものではありません。多くは事前に把握・対処可能であり、むしろこれらを想定した上で行動できる投資家こそが“勝者”となります
本章を通じて得たリスク認識を踏まえ、次章では実際に「いくら必要か?」という、初期費用のリアルな資金計画について解説します。

5. 初期費用のシミュレーション

タイ不動産投資を検討するうえで、多くの方が最初に気になるのが「いくらかかるのか?」という初期費用の問題です。
この章では、実際に投資する際のモデルケースを用いて、必要となる初期資金の内訳と合計額をシミュレーションします。

① モデルケースの設定

今回のシミュレーションでは、以下の条件で算出します。

  • 物件タイプ: バンコク市内の築浅コンドミニアム(30m²・中価格帯)
  • 購入価格: 約3,000,000バーツ(約1,260万円/1バーツ=4.2円換算)
  • 購入者: 日本人個人(海外送金により支払う想定)
  • 契約形態: 外国人名義での区分所有

② 初期費用の内訳と概算

以下は、実際に必要となる費用項目を一覧表にまとめたものです。

■タイ不動産購入時の初期費用シミュレーション(バンコク)

費用項目金額(バーツ)円換算(概算)備考
物件購入価格3,000,000約1,260万円約30m²、中価格帯の新築または築浅物件
登記・移転登記費用150,000約63万円約5%前後。交渉により売主と折半も可能
弁護士・仲介手数料100,000約42万円売買契約・登記対応などのサポート費用
家具・家電・内装100,000約42万円フル装備が必要な場合
管理費(前払い分)60,000約25万円年間管理費(共用施設・セキュリティ等)
送金・両替手数料等20,000約8.4万円銀行・為替手数料
合計3,430,000約1,440万円実質的な初期費用総額

③ 複数エリア比較:バンコク vs パタヤ

以下の表は、バンコクとパタヤで同等クラスのコンドミニアムを購入した場合の初期費用比較です。

■バンコクとパタヤの初期費用比較(2024年想定)

費用項目バンコク(30m²)
(バーツ)
パタヤ(30m²)
(バーツ)
備考
物件購入価格3,000,0002,500,000パタヤの方が平均単価がやや低め
登記・移転登記費用150,000125,000購入価格に比例(約5%)
弁護士・仲介手数料100,000100,000ほぼ同一水準
家具・家電・内装100,00080,000パタヤは家具付き物件が多く若干安価
管理費(前払い分)60,00050,000共用施設の充実度により異なる
送金・両替手数料等20,00020,000共通
合計(バーツ)3,430,0002,875,000
合計(円換算)約1,440万円約1,210万円1バーツ=4.2円換算

パタヤは観光特化型エリアであり、短期賃貸収益を重視する投資家に適しています。
一方、バンコクは経済・ビジネス需要が中心で、安定的な中長期運用に向いています。

④ 初期費用を抑えるポイント

以下の工夫により、総額をある程度圧縮することも可能です。

  • 家具・家電付き物件を選ぶ(交渉により無償提供される場合あり)
  • 仲介手数料込みの「オールインワン」パッケージ物件を検討する
  • 管理費や登記費用を売主が負担するキャンペーン物件を狙う
  • 複数戸購入・紹介制度により値引き交渉の余地あり

⑤ チェックリスト:購入前に確認すべき費用項目

チェック項目チェック済み備考
物件本体価格価格は市場価格と比較すべき
登記・契約に関する費用必ず事前見積もりを取得すること
弁護士・仲介関連手数料日系サポート会社なら明瞭
家具・設備の有無契約書に記載があるか確認
管理費・積立金年払い・月払いの方式を把握
為替手数料・送金コスト銀行間で差があるため比較要

⑥ 想像よりも現実的な投資金額

日本の都市部に比べて、タイの不動産は1,500万円未満の資金でも十分に検討可能です
もちろん、立地やグレードによってはさらに高額な物件もありますが、初めての海外不動産投資としては「入りやすく」「出口も読みやすい」価格帯であると言えるでしょう

次章では、購入後の具体的な流れと必要書類、スムーズに契約を進めるためのポイントを紹介します。

6. タイ不動産の購入手続き

タイでの不動産購入は、制度が整備されているため外国人にも比較的スムーズに行うことが可能です。
ただし、日本とは異なるルールや商慣習もあるため、事前に購入の流れや必要書類、注意点をしっかりと把握しておくことが重要です
この章では、タイ不動産の購入における一連のステップを、図解とともにわかりやすく解説します。

① 購入までの基本的な流れ

以下は、タイでの不動産購入における標準的な手続きフローです。

タイ不動産購入の流れ(標準モデル)

物件選定 → 予約申込 → 契約書締結 → 海外送金 → 登記 → 鍵の引渡し

それぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。

■物件の選定・内覧

・現地視察、または信頼できる仲介会社を通じてオンライン内覧。
・日系業者を通じれば日本語対応も可能。
・条件:外国人名義で購入可能なコンドミニアム(外国人持分49%枠内)

ポイント:管理費・修繕費の負担額、施設の質、周辺インフラを確認


予約申込(ブッキング)

・申込書(Booking Agreement)を提出し、予約金(通常5〜10%)を支払う。
・この段階で物件を仮押さえ。

ポイント:予約金は原則返金不可。契約条件に納得したうえで支払うこと。


■売買契約の締結

・売主と正式な「売買契約書(Sales and Purchase Agreement)」を締結。
・契約書は英語/タイ語、日本語訳付きが理想。
・通常、予約金支払い後15〜30日以内に実施。

ポイント:弁護士のリーガルチェックを推奨。曖昧な条項がないか必ず確認。


■海外送金と支払

・購入代金は日本からタイへの海外送金で支払う。
・銀行で「Foreign Exchange Transaction Form(FET)」を発行。
・このFETが後の登記に必須となる。

ポイント:送金名義人と登記名義人が一致している必要あり。


■所有権の移転・登記手続き

・タイの土地局(Land Department)にて登記手続きを実施。
・通常は弁護士またはエージェントが代理で対応。
・登記時に残代金・諸費用の支払いが完了。

ポイント:登記費用は通常売買価格の約2〜5%。交渉により売主と折半可。


■鍵の引き渡し・入居または賃貸開始

・登記完了後に鍵が引き渡され、晴れて所有者となる。
・その後、居住または管理会社を通じて賃貸運用が可能。

ポイント:家具・家電の設置、Wi-Fi、光熱費契約などはこの段階で手配。

② 購入に必要な書類一覧(外国人購入者の場合)

書類名用途
パスポート(有効期限6ヶ月以上)本人確認、各種契約に使用
海外送金証明書(FET)外貨資金での購入を証明
売買契約書(Sales & Purchase Agreement)法的な売買証明
予約申込書(Booking Agreement)仮契約の証明
送金明細書・銀行送金伝票購入資金の出所を明確にする書類
委任状(必要に応じて)弁護士・代理人に登記を委任する場合

補足:法人名義で購入する場合は、登記簿・会社定款・代表者証明書等の追加書類が必要です。

③ よくあるトラブルと対策

トラブル事例対策
契約内容の不備契約前に弁護士による確認を必ず行う
登記できない物件だった外国人所有枠(49%)を必ず事前確認
送金名義と登記名義が異なる送金前に銀行と登記名義人の一致を再確認
手続きに時間がかかる/放置される現地信頼性の高いエージェント・弁護士を選ぶ

④ 手続きは「段取り」と「信頼」がカギ

タイの不動産購入は制度が整っているとはいえ、外国人にとっては言語・文化・法制度の違いが壁になることもあります。スムーズな購入を実現するには、事前準備の段取りと、信頼できる現地パートナーの選定が成功のカギを握ります

次章では、購入後の運用や出口戦略を成功させるための「戦略設計とパートナー選び」について、より実践的な視点から掘り下げていきます。

7. 成功するための戦略とパートナー選び

タイ不動産への投資を成功させるには、「物件選びの目利き力」だけでは不十分です。
実際に成果を上げている投資家たちは、共通して「戦略の設計」と「信頼できる現地パートナーの活用」に力を入れています

この章では、長期的に安定した収益を得るための具体的な戦略と、失敗しないためのパートナー選定のポイントを解説します。

① 投資戦略の設計:3つのパターン別アプローチ

投資目的に応じて戦略を変えることが、成功の第一歩です。
以下の3つの基本戦略を軸に、自身の目的に合ったアプローチを選びましょう。

投資戦略タイプ特徴向いている投資家
キャピタルゲイン型値上がりを見込んで数年以内に売却短中期で資産拡大を狙う投資家
インカムゲイン型賃貸運用による安定収入を重視長期保有志向の個人投資家・医師等
ハイブリッド型値上がりも賃貸収益も視野に入れた運用資産を守りつつ成長も狙いたい富裕層

ポイント:投資エリア・物件タイプ・運用期間・出口戦略を事前に明確に設計すること。

② エリア選定の重要性:立地が未来を決める

立地は不動産価値を決定づける最大の要素です。
タイでは以下の視点からエリアを選定すると、リスクを抑えつつリターンを狙えます。

エリア選定の3つの視点

  • 成熟エリア(BTS周辺・バンコク中心部)→ 安定運用
  • 再開発エリア(EEC・鉄道延伸地帯)→ キャピタルゲイン狙い
  • 観光特化エリア(パタヤ・プーケット)→ 短期収益に強み

実績あるエリアは利回りが安定、新興エリアは伸びしろが大きく、選定の目利きが問われます

③ 信頼できる現地パートナーを選ぶ

タイ不動産の成功は、「誰と組むか」に大きく左右されます。
特に以下の3つのパートナー選びが重要です。

■不動産エージェント(仲介会社)

  • 外国人購入者のサポート実績があるか
  • 日本語・英語での対応力があるか
  • 営業ではなく“相談者”として向き合ってくれるか

推奨:日系不動産企業や日本人スタッフ常駐の現地法人は安心度が高い

■弁護士(リーガルサポート)

  • 不動産契約のリーガルチェック経験が豊富か
  • タイ不動産法だけでなく、日本側の税制も理解しているか
  • 海外送金・登記・相続に関する知識があるか

ポイント:弁護士との契約は“費用ではなく信頼性”で選ぶべき

■管理会社(PM業者)

  • 入居者募集・契約管理・修繕対応が一括でできるか
  • レスポンスの早さや報告書の正確性
  • 多言語対応や収支報告書のフォーマット整備の有無

推奨:賃貸実績・空室率・対応スピードを事前に確認しておくこと

④ 失敗を避けるためのチェックリスト

チェック項目確認状況(✓)
投資目的と戦略が明確である
再販市場・出口戦略を想定している
日本語対応が可能な現地パートナーがいる
契約書の法的チェック体制が整っている
購入後の管理運用について計画がある

⑤ オリジナル戦略プランニングシート(記入式)

以下は、タイ不動産投資を実行する前に、自身の投資戦略を“見える化”するためのプランニングシートです。
紙やデジタルに書き出し、関係者(エージェント・弁護士等)と共有することで、意思決定がスムーズになります。

■戦略プランニングシート

項目記入欄
投資の主目的(例:キャピタルゲイン/インカムゲイン)
投資可能予算(初期費用)(例:1,500万円まで)
想定保有期間(例:5年/10年/長期)
優先するエリア条件(例:駅近・空港アクセス・観光地)
利回りの目標水準(例:年間6%以上)
管理スタイル(例:現地管理会社に一任/自主管理)
賃貸戦略(長期or短期)(例:長期賃貸/Airbnb併用)
将来的な出口戦略(例:売却予定/子供への相続)

活用法:購入前に戦略を可視化することで、物件選定やパートナーとのやりとりが格段にスムーズになります

⑥ 戦略×人脈が、成功の再現性を生む

タイ不動産投資は、“物件の善し悪し”だけで決まるものではありません。
「明確な目的をもった戦略」と「誠実で実務力のあるパートナー」の掛け合わせこそが、成功の鍵です。
失敗を防ぎ、安定した収益と資産成長を手に入れるには、準備段階からのパートナー選びがすべてを左右します。

次章では、これまでの総まとめと、実際に投資を始めるためのアクションプランを提示します。

まとめ:タイ不動産投資は、いま動くべき「実践的な選択」

本記事では、タイ不動産投資の可能性とリスクを多角的に解説してきました。
経済成長を続ける東南アジアのハブ、タイ。バンコクやパタヤを中心に不動産市場が活況を見せる中、外国人にも開かれた制度設計が整っており、日本人投資家にとっても現実的な投資対象であることがお分かりいただけたと思います。

以下に、本記事でご紹介した重要ポイントを再掲します。

タイ不動産投資の魅力まとめ

  • キャピタルゲイン:都市開発や交通インフラ整備により、今後も値上がりが期待できるエリアが多数。
  • インカムゲイン:日本より高い賃貸利回り(5〜7%)で、安定的な収入源を確保可能。
  • 初期費用:1,200万〜1,500万円程度でスタート可能。日本国内よりも参入障壁が低い。
  • 法制度・手続き:外国人も登記可能なコンドミニアム中心に明確な制度設計がある。
  • 出口戦略と相続対策:通貨分散・相続税対策としても有効な選択肢。

注意すべきリスクと対策

  • 法規制、為替リスク、管理の難しさなど、海外投資ならではの注意点も存在
  • 信頼できる現地パートナー(仲介会社・弁護士・管理会社)の選定が極めて重要
  • 明確な投資戦略の設計と“出口”の見通しがあってこそ、成功の確率は高まる

最初の一歩を踏み出すために

不動産投資は情報と準備がすべてです。成功している投資家は、「まず行動」することから始めています。

これからタイ不動産投資をスタートしたい方は、以下のようなステップで進めてみましょう。

  1. 戦略プランニングシートを活用し、自分の目的を明確化する
  2. 物件情報を比較検討し、気になる物件があれば現地見学またはオンライン相談
  3. 日本語対応の実績あるエージェントに問い合わせて情報収集を開始する

資産形成は「世界に広げる」時代へ

日本国内だけではリスク分散が難しい時代、海外不動産は“実物資産”としての強さと、将来性という2つの価値を兼ね備えています
中でもタイは、経済的な安定性と法的な透明性を併せ持つ、極めて「現実的」な選択肢です。

この一歩が、あなたの人生と資産の可能性を大きく広げるきっかけになることを願っております。

参考

Thai Land Department(タイ土地局)公式サイト(英語)
Thai Embassy Tokyo – 不動産に関するQ&A
Knight Frank Thailand Reports
CBRE Thailand
The Thaiger – Real Estate News
Bangkok Post – Property Section

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