利回りや空室リスクなどカテゴリ別!海外不動産投資ランキング
そこで今回は、利回りや賃貸需要、空室リスクといったカテゴリ別の海外不動産投資ランキングをご紹介していきます。
これから海外不動産投資を検討されている方、投資する国で悩まれている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1. 海外不動産投資の利回りランキング
不動産投資の利回りは、築年数や物件の構造といった「不動産そのものの価値」だけではなく、立地条件によっても大きく異なります。特に海外不動産の場合は、各国の治安や経済状況によっても左右されるため、事前に国別の利回りを確認しておくことは重要なポイントになります。
2021年半ばの各国都心部における表面利回りランキングを見てみましょう。
国名 | 都市部の表面利回り | |
1位 | ナイジェリア | 36.56% |
2位 | ガーナ | 10.22% |
3位 | 南アフリカ | 9.52% |
4位 | アラブ首長国連邦 | 9.30% |
5位 | ベネズエラ | 8.28% |
6位 | サウジアラビア | 8.03% |
7位 | モンゴル | 7.95% |
8位 | トリニダード・トバゴ | 7.90% |
9位 | プエルトリコ | 7.78% |
10位 | アメリカ合衆国 | 7.74% |
参照:Property Prices Index for Country 2021-mid
経済成長が著しいナイジェリアの表面利回りが、もっとも高くなっています。ナイジェリアの国内総生産はすでに南アフリカを上回り、アフリカ第1位の経済大国に躍進しています。また、ナイジェリア最大の都市ラゴスには高層ビルが立ち並び、今後も人口の伸び率は上昇傾向にあると予測されています。
データにはすべての国が掲載されているわけではありませんが、先進国よりも発展途上国の方が高い利回りを示す傾向が強くなっています。
2. 海外不動産投資でキャピタルゲインを狙える国ランキング
経済が成長を続けている国では、物価上昇に伴う不動産の売却益向上も期待できます。物価が上昇することによって国民の所得が増え、家賃が値上がりする可能性もあることを十分に考えられます。
主な国のGDP成長率ランキングは、下記のとおりです。
国名 | 2021年GDP成長率 | 2025年予測GDP成長率 | |
1位 | マレーシア | 7.80% | 5.00% |
2位 | フィリピン | 7.40% | 6.50% |
3位 | カンボジア | 6.80% | 6.90% |
4位 | ベトナム | 6.70% | 6.60% |
5位 | タイ | 4.00% | 3.70% |
6位 | アメリカ | 3.10% | 1.80% |
7位 | 日本 | 2.30% | 0.60% |
参照:IMF
先進国のGDPは低くなるのが一般的です。そのため、先進国に近づいているマレーシアは2025年に成長率の低下が予想されています。一方、カンボジアやベトナムは、5年後も経済成長を続けていると予測されています。
3. 海外不動産投資で賃貸需要が高い国ランキング
次に、主な国の年齢中央値から、賃貸需要の高い国のランキングをチェックしてみましょう。年齢中央値が20代に近いほど、働き盛りの若者による賃貸需要が高いと判断できるでしょう。
国名 | 年齢中央値 | |
1位 | フィリピン | 24.1歳 |
2位 | カンボジア | 26.4歳 |
3位 | マレーシア | 29.2歳 |
4位 | ベトナム | 31.9歳 |
5位 | アメリカ | 38.5歳 |
6位 | タイ | 39.0歳 |
7位 | 日本 | 48.6歳 |
参照:The World Factbook 2021. Washington, DC: Central Intelligence Agency, 2021.
東南アジア諸国の中でも、タイとベトナムは年齢中央値が高めです。一方、フィリピンとカンボジアはまだ年齢中央値が若いので、旺盛な賃貸需要が期待できます。
4. 空室リスクが低い国ランキング
海外では、外国人の土地取得が規制されている国が多くあるため、投資の対象が建物だけのコンドミニアムに限定されるケースも少なくありません。そのため、コンドミニアムの入居者を決める難易度の判断に各国の人口密度が役立ちます。
国名 | 1k㎡あたりの人口 | |
1位 | フィリピン | 357.7 |
2位 | 日本 | 347.1 |
3位 | ベトナム | 308.1 |
4位 | タイ | 135.9 |
5位 | マレーシア | 96 |
6位 | カンボジア | 92.1 |
7位 | アメリカ | 35.7 |
参照:World Bank Open Data
フィリピンとベトナムは人口密度が非常に高いため、空室リスクは比較的低いと考えていいでしょう。一方、マレーシアやカンボジアは人が集まる首都で物件を選ばないと、空室リスクが上がる可能性があります。
日本は国土が狭いため、人口密度度はなんと2位にランクインするほど非常に高いですが、すでに人口減少に入ったため、これからは人口密度度が低くなると想定されます。一方、アメリカは国土の広さが人口密度の低さにつながっているため、それぞれの国の特徴なども考慮して判断することが重要です。
5. 海外不動産投資に適した国の選び方
ここまで様々なランキングを紹介しましたが、参考になりましたでしょうか。
最後に、海外不動産投資に適した国の選び方を5つご紹介します。
・ 投資までのハードルを確認する
・ 税金や土地の所有制度をチェック
・ カントリーリスクが高い国は避ける
・ 外国人の投資が許可されていない国に注意
・ 為替リスクも考慮する
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
(1) 投資までのハードルを確認する
現地の管理会社とコミュニケーションを取るためには英語が必須です。また、時差が大きい国とのやりとりには時間がかかるため、手続きなどをすべて自分で行なうとストレスが溜まります。また、思わぬトラブルに巻き込まれて、投資ができなくなるケースもあるでしょう。
このような事態を防ぐには、日本の会社があるのか、日本人エージェントに依頼できるのか、時差はどの程度なのか、言葉の壁を回避できるのかなどといった投資難易度を事前に確認しておくことが大切です。
(2) 税金制度をチェック
物件の運用益に対する税金や、ほぼすべての国で課税される固定資産税の税率をチェックしておきましょう。登記費用や印紙税も各国で課税されます。税率が高いと諸経費が高くなりますので、事前に税金制度について必ず確認するようにしてください。
(3) カントリーリスクが高い国は避ける
各国の政治・経済・環境などの急激な変化によって損失を被るリスクが「カントリーリスク」です。
たとえば、新興国でクーデターなどが発生すると、不動産価格が下落する傾向にあります。少し前にあったミャンマーの暴動は一つわかりやすい例と言えます。クーデターが発生すると入居率にも悪影響を及ぼします。投資する前には、各国内の政治的な不安を確認しておきましょう。
(4) 外国人の投資が許可されていない国に注意
国によっては外国人の不動産所有を制限しています。制限の内容は国によって異なるので、事前のチェックは欠かせません。とくに、東南アジアには外国人に対する不動産投資規制をしている国が多いので注意が必要です。
(5) 為替リスクも考慮する
為替の変動による利益の目減りが為替リスクです。海外不動産投資の収益は、投資先の国で流通している通貨で得ることになります。収益を日本国内で使う場合は、日本円に両替しなければいけません。そのため、両替のタイミングで大きな為替の変動があると、利益が目減りしてしまうのです。
特に日本の金融機関でローンを組まれた場合は、日本円に両替してから返済する必要があります。為替の変動が大きいと利益が目減りして、予定どおりに返済できなくなる可能性もあるので注意しましょう。
6. まとめ
今回は、海外不動産投資に関するランキングを、利回りや空室リスクなどのカテゴリ別にご紹介しました。
海外不動産投資と言っても、対象にする国によって投資戦略は大きく変わってきます。国の選び方で成功か失敗かが決まると言っても過言ではないでしょう。
投資を成功させるには、事前に各国のGDPや年齢中央値などのデータをチェックして、将来的に発生するリスクを考慮した国選びが大変重要になります。
今回ご紹介した海外不動産投資ランキングや投資する国の選び方なども参考にしながら、投資を成功へと導きましょう。
Asset Oceanが根本的に解決を目指す課題は、海外不動産投資のハードルを下げ、市場を活性化させることです。